身体障がい者野球「千葉ドリームスター」 土屋大輔 障がい者野球の魅力と抱く理想
選手そしてチームの今後
入団してから約7年間主将を務め、18年からは中臺陵大選手に譲った。今後の野球人生について以下のように語った。
「個人の成績はいいので、チームに貢献できるプレーヤーになりたいです。また、野球をプレーするだけではなく、このチームをたくさんの人に知ってもらう。そのために何ができるかも考えていきたいです」
一方、千葉ドリームスターは全国大会に進出できるまで力を付けたが、まだまだ成長の途中にある。現状に満足せず、むしろ危機感すら持っている。
「(コロナ禍になる前年の)19年は全国ベスト4という大きな目標を達成しましたが、油断すると簡単に落ちてしまう。チームを知ってもらうという意味でも、全国大会に継続して出場できるチームにならないといけないです」
今はある理想を抱いている。それは障がい者野球の魅力を知るからこそ沸いた想いであった。
「障がい者野球は『お互いの障害を補いあえる』ことが魅力と感じています。下肢障害の場合はパワーヒッターも多い一方で、走ることが難しい選手もいます。でも代わりに自分が代走できたりなど、直接的に補うことができます」
「私の一番の理想は、身体障がい者野球をもっと知ってもらって、健常者の人たちと混ざってできることです。『打者代走出そうよ』などとお互いが自然に声を掛け合って、障がいの有無関係なく野球できるのがいいなと思っています」
反骨心でレギュラーを掴み、野球以外の場でもチームに捧げ続けてきた。ドリームスターがさらなる高みに昇るため、土屋大輔のチャレンジはまだまだ終わらない。
(取材 / 文:白石怜平)