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松坂大輔×松井稼頭央〜時代を創った男たち〜お互いの対戦は「楽しみで仕方なかった」

共に「楽しみ」だったワールドシリーズでの初対戦

2つ目の質問では、2人の対戦について。松坂氏が07年にメジャー挑戦以降、2人は過去3度対戦している。

「初めて対戦した前日は緊張したか」という問いについて、松井コーチは「楽しいとはまた別なんですね?」と訊き返しながら○、松坂氏は×の札をそれぞれ挙げた。

初めての対戦、それは07年のワールドシリーズ。松坂氏はレッドソックス移籍1年目で15勝を挙げ世界一、松井コーチはロッキーズのリードオフマンとして打率.288、32盗塁をマークし、球団初のリーグ制覇の原動力になった。

かつて共に戦った盟友が世界最高峰の舞台で勝負する。意識しないはずがなかった。

「緊張というか、大輔と初めて対戦する場所がワールドシリーズで緊張感もあり、大輔と対戦ができる楽しみと混じっていました」

「稼頭央さんと一緒ですね。前の日からとにかく楽しみで仕方なかったです。ライオンズで一緒にプレーして、アメリカに行ってまさかワールドシリーズという舞台で一番最初に対戦する打者が稼頭央さんだとは。うーん、予想つかなかったですね」と当時の興奮が蘇ったかのように話した。

初対戦はワールドシリーズというこの上ない舞台だった

2人が対峙したのは第3戦。先発した松坂氏は1番・二塁でスタメン出場した松井コーチと初回にいきなり相対した。結果は初球ヒットを放ち、松井コーチに軍配が上がった。

「初球打つしかないんですよね。打つしかないので」

「僕はどう攻めようか考えてたんですけども、とりあえず真っ直ぐから入ろうかと思ったのをしっかり狙われましたね」

そして残り2回は共に日本へ戻っての対戦。2回目は松坂氏がソフトバンク、松井コーチが楽天時代の16年10月2日、楽天Koboスタジアム宮城(現:楽天生命パーク宮城)での試合だった。

松坂氏は日本復帰初マウンドで8回に登板。しかし、2人目の打者として代打で登場した松井コーチに対し、初球で死球を与えてしまう。

この場では、鈴木氏は”デッドボール”といったフレーズは出さず「これも初球でした」と語りかけた。するとお互いの脳裏には浮かび松坂氏は「初球でしたか…」と苦笑いを浮かべ、松井コーチも続いた。

「大輔が投げるということで、当時の梨田監督の計らいで『大輔が登板したら打席に立つぞ!』って前もって言われていまして、またここでも対戦できるのかと思ったら…初球っす!笑」

日本復帰後初の対戦時を語った松井コーチ

「外の真っ直ぐのサインだったんですけども、引っ掛けて足元に投げちゃって」と松坂氏は当時のやりとりを披露し、「その後メール来ましたけどもね」と松井コーチはすかさずフォローした。

最後の対戦は松坂氏が中日に移籍し、松井コーチが西武に復帰した2018年。3月14日にナゴヤドーム(現:バンテリンドームナゴヤ)で行われたオープン戦だった。2打席対戦し、いずれも右飛。

1打席目は初球、2打席目は2球目と松井コーチが”早打ち”だったことがお互い記憶に残っており、

「初球だったよね?」「稼頭央さん勝負早いです」

と共に笑顔で掛け合った。

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