
巨人軍のレジェンドOBとジャイアンツ女子チームが再び対戦!新球場の開場を記念した一戦は歴史と未来が交わる一日に
8月25日、「巨人軍OB×ジャイアンツ女子チーム」の交流試合がジャイアンツタウンスタジアムで開催された。
巨人軍の歴史を彩ってきた名選手たちと、野球界を盛り上げている女子チームとの白熱した試合を繰り広げた。
(写真 / 文:白石怜平、以降一部敬称略)
試合前にはトークショーでレジェンドOBたちが登壇
この交流試合は、「ジャイアンツタウンスタジアム」の開業を記念して行われた。
今年の3月1日にオープンした新スタジアムは「TOKYO GIANTS TOWN」構想の中心地として、スポーツとエンターテインメントが融合した緑あふれるまちづくりが進んでいる。
ファームの本拠地として使用している他、同じ東京をホームとしている他競技のチームと協力してマルチスポーツ体験会を開くなど、地域活性の場として賑わいを見せている。
かつての練習拠点だった多摩川グラウンドの再現をイメージしており、2・3階のスタンドは客席を最大4列までにするなど、距離の近さが忠実に再現されている。

23年に静岡で行われて以来約2年ぶりとなった交流試合は、この新スタジアムが舞台となった。
試合前にはレジェンドOBによる豪華トークショーを開催。栄光のV9時代(1965~73年)に活躍した末次利光さん・上田武司さん・吉田孝司さん・所憲佐さん・原田治明さんの5名に、巨人軍OB会長でもある中畑清さんが特別司会に加わった。

多摩川グラウンドで汗を流したエピソードが写真とともに紹介され、選手として原点とも言える場所を振り返った。
途中で定岡正二さんや斎藤雅樹さんも呼ばれ、かつて多摩川にフィーバーを起こした定岡さんは当時の思い出を語った。
「たくさんの人に応援してもらってうれしかったです。多摩川に来てくれたファンの方々が常に見ていてくれて、緊張感あふれて練習できました」

そして、トークショーで最も沸かせたのが所さんの芸。長い間マネージャーとして長嶋茂雄さんを始め、藤田元司さん、王貞治さんという歴代の監督をサポートしてきた。
間近で見ていたからこそ肌に染み付いているONの姿を模した物真似が特別に披露された。バッターボックスに向かうところから打った後まで忠実に再現され、スタンド全体が笑いとともにクオリティの高さに大きな拍手が生まれた。

その後は、OBチームから中畑さん・元木大介さん・高橋由伸さん、女子チームから清水美佑・日高結衣の両選手が登壇しマイクを持った。
中畑さんは「前回は(8−1)圧倒されたからね、今回はリベンジするよ!」と力強く語ると、元木さんが「中畑さん、リベンジ?2年経ってるんだから余計動かないよ?」とすかさずツッコミを入れる場面も。
高橋由伸さんも「忖度してくれると思うんで(笑)」と続くなど、3人の軽妙なトークで再び笑いの渦が沸き起こった。
真横で聞いていた清水は「トークでは負けるので、野球は勝たせてください!」と述べ、日高は「2年前は8−1で勝ったので今年も勝ちます!」と、両者とも勝利を目指すことを宣言した。

試合は、巨人軍OBが中畑清監督・女子チームは宮本和知監督がそれぞれ指揮を執った。以下がスターティングメンバー。
【巨人軍OB】 【ジャイアンツ女子】
1(中)大田泰示 1(一)佐々木秋羽
2(二)篠塚和典 2(二)阿部希
3(右)高橋由伸 3(右)内田梨絵瑠
4(三)原辰徳 4(捕)金満梨々那
5(一)小笠原道大 5(指)島野愛友利
6(左)清水隆行 6(三)長田朱也香
7(遊)元木大介 7(遊)中村柚葉
8(捕)村田真一 8(中)相見菜月
9(指)大久保博元 7(左)田中美羽
先発投手=槙原寛己 先発投手=伊藤春捺


ジャイアンツ女子チームが序盤に大量リードを奪い快勝
試合は初回から女子チームが一気に猛攻を仕掛け、先発の“ミスターパーフェクト”槙原さんに襲いかかった。佐々木が内野安打で出塁すると、阿部が右中間へ三塁打を放ち1点を先制。4連打を浴びせこの回4点を奪い、試合の主導権を握った。


2回表は“平成の大エース”こと斎藤雅樹さんが登板。女子チームは再び1番・佐々木から連打でチャンスを作ると、内田が犠飛で追加点を挙げる。
さらに3回には東野峻・アカデミーコーチから佐々木が2点タイムリーを放つなど、上位打線を中心に計7点を奪い、リードを大きく広げた。


巨人軍OBも負けじと往年の姿が健在であることを示す。2番の篠塚さんは2打席連続ヒットでチャンスメークし、首位打者2回・通算打率3割越えの技術をここでも披露。
4番・三塁でスタメン出場の原さんも鮮やかに安打を放ち、若大将の勇姿にスタンドが一層沸いた。


中盤以降は投手陣が主役に。4回以降はお互いに継投での無失点リレーでスコアボードに0を並べていく。巨人軍OBは定岡さんに角盈男さんと鹿取義隆さんの同級生トリオ、さらに前田幸長さんがマウンドで躍動した。
女子チームは今季新加入した桑沢明里が3イニングを無失点と力投を見せると、注目は6回に。
井納翔一・アカデミーコーチがマウンドに上がると、現役時代と変わらないストレートで140km/h台を連発。女子チームも喰らい付きファウルを重ねる度にどよめきと声援が送られた。
無死一・二塁のピンチから3者連続三振を奪い、こちらも無失点に抑えた井納さんがマウンドを降りると、互いに演じた真剣勝負にファンは大きな歓声で応えた。


試合は7イニング制で行われ、7−2で女子チームの勝利。一昨年に続き連勝で締めた。
なお槙原さんは試合中のインタビューで登場した際、第一声に「(2回途中で降板した94年の)10.8を思い出しました」と語ると、ここでもスタンドから大きな笑いが起きた。
「あの時も僕が打たれた後、斎藤がマウンドに上がっているので」とあの国民的行事に触れつつ、女子チームの選手たちを「スイングが全然違いました。全然アウトになってくれないので・・・」とタジタジの様子を交えながら讃えた。
一方、原さんは「初回が全てだったんじゃないかな」とバッサリと斬る。「次もし行われるならいいピッチャーから行くべきですね」と巨人の監督として最多の1291勝を誇る名将らしく、投手起用について“提言”した。
最後の挨拶として中畑監督と宮本監督、そして両者が選ぶこの試合の殊勲選手がファンの前に立った。
巨人軍OBからは大田泰示さん。3回に追撃のタイムリーを放ち、守備でも好捕やバックホームでの得点阻止など攻守で存在感を発揮。女子チームからは序盤の猛攻の立役者となった佐々木が選ばれた。

最後に両監督から力強い感謝のメッセージが送られ、最後を締めた。
「いい時間を皆さんの声援のおかげで過ごせました。我々も楽しめた時間です、ありがとうございました!」(中畑監督)
「我々女子チームもこの試合を楽しみにしていました。こんな多くのファンから応援をいただいたというのは、選手も明日からまた頑張れる試合になりました。
女子野球同士の試合はもっと激しいです。もっと涙が出ます。打った涙・三振した涙・打たれた涙。さまざまな涙がある女子野球です。
ぜひ女子野球の試合に足を運んで、女子チームを応援していただけたらと思います。今日はありがとうございました!」(宮本監督)
この日は約2000人のファンが来場。巨人軍の歴史と未来が交差するとともに、プロ野球界と女子野球界の絆が深まる一日となった。
(おわり)
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