
ファイターズ「ES CON FIELD HOKKAIDO」開業まであと1年。”どこから見ても同じ断面がない” 各所に散りばめられたアイデアとは?
前沢取締役 “想定外”だった「コロッセオのような印象」
内覧会の最後、球場の建設を行っている(株)大林組の竹中秀文所長、(株)ファイターズ スポーツ&エンターテインメント の前沢賢 取締役が取材に応じた。
竹中所長は完成まで7割まで来たとし、降雪時期の間でも滞りなく進めてきたことについて以下コメントした。
「32ヶ月の中で3回厳冬期(12月〜2月ごろ)を迎えますが、それはもう初めから計画していましたので想定通りです。内装工事に関わる箇所は水がかかると止まってしまうので、除雪をしながら行っています。雪が積もる箇所で工事に影響がないところは(雪を)残しつつ、優先順位を決めながら進めています」

そして前沢取締役は、建設中の球場の印象についてこう語った。
「外から見ると巨大な建物に見えますが、中入るとフィールドがとても近くに感じられるので、コロッセオ(古代ローマ時代につくられた円形闘技場)のような感覚を持ちました。これは我々としても思い描いていなかったことでしたね」
続いて球場で見てほしいポイントについて尋ねられると、
「3塁のエントランスから入って見る風景がとても素晴らしいです。まず入っていただいたら球場全体を眺めていただきたいなと。あと、野球場の本質的な良さって天然芝の匂いや雰囲気といったものだと思うんですよね。どこの断面をとっても同じ断面がない。見ていて飽きない球場になりますよ」と胸を張った。
フィールド面については、竣工後の3月に一度チーム練習で使うことを明かし、「実際使い始めると直すべき点が出てくると思うので、例えば新庄監督から意見があれば『どうやったらできるか』を考えていきたいなと思います」
と現場の意見を柔軟に吸収していく方針である。そして取材の最後、完成後に向けては
「この完成したハードにソフト面でオペレーションがどう追いついていくか。そこは我々スタッフの能力にかかっていますし、今後アジャストしていかなければいけないと考えています」
と語り、先を見据えたコメントで最後を締めた。

今回案内役を務めた小川さんは、以前本メディアのインタビューで、
「球場単体ではなく、北広島市や北海道のまちづくりの観点から、社会とどう一緒にこの場が創られていくのかという側面もあります」
と語っており、その言葉通り「HOKKAIDO BALL PARK F VILLAGE」では、キッズエリアや農場そしてマンションなどが建設される。
球場の枠を超えて創られる新たなまちは、15年の構想開始から8年の時を経てついに形となる。