稲葉ジャンプが北海道で復活!稲葉篤紀「良い交流をして良い時間を過ごしたい」感謝とリスペクトともに見せた”4番の一打”
7月22日に「ES CON FIEFD HOKKAIDO」で行われた「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)や五輪でしのぎを削ってきた日韓のOB選手が一夜限りの”真剣勝負”を行った。
稲葉篤紀・現日本ハムファーム監督も「JAPAN」のユニフォームに袖を通し、北海道を再び沸かせた。
練習前に行われた記者会見には選手代表として原辰徳監督らと共に出席。意気込みについて問われると、人柄が溢れるコメントで会場が自然と和んだ。
「まずはこの場を設けていただいた方々に感謝を申し上げますとともに、韓国の皆さんも日本に来ていただきましたので、私も選手として熱い戦いができることを嬉しく思っております。
選手たちは今持てる力を精一杯出し切って、ファンの皆さんに喜んでもらえるよう精一杯頑張ります」
日本代表としては選手・監督の両方で経験があり、日韓戦の重みは特に熟知している。対戦した当時の印象を問われると、
「1回から9回まで気持ちが抜けない。そういう戦いをプレーヤーとしても監督としても経験しました。とてもいい勉強をさせてもらいましたし、プレーヤーとしてもレベルアップさせてもらった相手です。今までお互い切磋琢磨してきましたので、今日もお互い精一杯ぶつかり合っていきたいです」
と時折真剣な表情も交えながら述べた。
会見の最後には、この試合のスターティングメンバーが発表され、原監督は稲葉を「4番・指名打者」と発表。韓国との5度の対戦を経て世界一連覇を果たした第2回WBCと同じ打順でスタートを迎えた。
見せ場は初回から訪れる。1点を先制された裏の攻撃、2死2塁と同点のチャンスで打順が回ってきた。
現役時代の登場曲であるQueenの「I Was Born To Love You」とともに打席に立つと、札幌ドーム中を大きく揺らした代名詞「稲葉ジャンプ」がついにエスコンフィールドHOKKAIDOでも実現した。
懐かしの横断幕が掲げれられ応援歌も流れる中、稲葉は外角の球にバットを合わせた。打球は左前へ抜け西岡剛がホームイン。同点タイムリーとなり塁上で一際大きな歓声を浴びた。
試合中盤でインタビューに登場した稲葉は、「見たかったですね(笑)でも、稲葉ジャンプのおかげで打つことができました。ありがとうございます!」と応援が力になったことを感謝した。
次の打順では松中信彦が代打で出場しそのままDHに入っていたが、この試合は一度交代しても出場できるルールであるため再び稲葉に出番が回ってきた。
6回裏2死一・三塁のチャンス。原監督が代打を告げると内野席も総立ちに。一打席目よりもさらに大きな稲葉ジャンプが起こり、球場のボルテージが上がっていった。
ここでは遊ゴロに倒れ追加点とはならなかったものの、試合を通じて勝利に貢献した。
上述の会見では「韓国の選手とお会いできるのはとても楽しみにしておりますので、良い交流をして良い時間を過ごしていきたいと思います」と語っていた稲葉。
地元北海道で躍動するとともに、世界の舞台で切磋琢磨した”戦友”との再会も果たし特別な1日となった。
(写真 / 文:白石怜平)
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