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球種は持ちすぎず「一つずつ磨いていくこと」桑田真澄氏が指導する持ち球の心得とは?

昨年12月21日に行われた、ライブリッツ株式会社が主催の「第5回デジタル野球教室」。

ジャイアンツタウンスタジアムで行われた今回は、昨季まで巨人で二軍監督を務めた桑田真澄氏(オイシックス新潟アルビレックスCBO)がスペシャルコーチとして参加した。

さらにゲストコーチとして、中日でゲーム戦略アナリスト兼コーディネーターを担当する志田宗大氏も加わり、後半では両氏によるトークショーが行われた。

後半では参加した中学生たちから質問が寄せられ、技術面を中心に桑田さんが回答。そして教室の終了時には今後の人生の力となるメッセージが贈られた。

>トークショー前半はこちら

(写真 / 文:白石怜平)

変化球は「50点を4つよりも90点を2つ」

選手からの質問コーナーの際に、変化球についての質問を受けた桑田氏は、今の投手によく見られる傾向に警鐘を鳴らした。

「ジャイアンツのピッチャー陣にも言っていたんですけども、みんなたくさん変化球を投げすぎなんです。今のピッチャーって7つも8つもあるんですよ」

現在は球種も多様化が進み、新たな名称や変化が登場している。ただ、それを何でも習得することがプラスに働くわけではないとし、巨人で指導していたことを明かしてくれた。

「キャッチャーってサインを5本指で出すから、真っ直ぐがあって、あと4つ以上あっても意味がないと思うんですね。7つ8つあってどうかっていうと大差はない。 だから、僕は一つずつ磨いていくことをお勧めしています。

50点の変化球を4つ持ってるのと、90点のを2つ持っているなら絶対に後者を使いますよ。 高校、大学とさらに上のステージへ行くほど小細工は効かないんです。

僕の考えとしてはストレート以外に緩急をつけるカーブかチェンジアップ、フォークとスライダー。それぐらいでいいと思います。 

変化球は3つぐらいに絞って80点以上にできるように。そうすると一軍で戦えるレベルになるよって言ってましたね」

一つの球種の精度が重要と語る(右は志田宗大氏)

桑田氏はさらに説得力を増す根拠として、一軍で活躍する投手たちの事例を挙げた。

「『この投手と言ったらこの球種』ってありますよね。僕だったらカーブが自分の持ち味でしたし、例えば戸郷(翔征)君といえばフォーク・菅野(智之)君といえばスライダーですよね。

そうやって『このピッチャーはこれだ!』というものをまず身に着けること。それが 2つ、 3つになると鬼に金棒ですよ。球種を絞って、その精度を上げていくことをやってもらいたいですね」

0.2秒の差が打者との勝負を分ける

「投手で最も大切なのはコントロール」と述べた桑田氏は、傾斜で行う練習を伝えていた。その他にも行っている練習があるかを問われ、このように答えた。

「僕はシャドーピッチングです。毎日50回だけやるんですよ。僕がやり続けたのはこの練習一つだけです」

このシャドーピッチングは時間でいうと10 分以内。行う上で特に意識していた点を、テーマであるデータに沿って展開。これは体格に恵まれない人でも戦える技術につながるものだった。

「今は数字が出てくる時代なので言いますと、ボールがリリースされてからバットに当たるまで0.4秒です。 ところが、早く体が開く人は0.6秒になるのでバッターに余裕を与えてしまうんだよね。 

だから開かないように意識していて、左足がつくときにこの左肩が開かない。 この練習だけです。

球が速いこともすごく大事なんだけども、体格が小さい人でもバッターを抑えられる大事な要素として、ボールをバッターに最後まで見せないっていう作業がもっと大事なんです」

体格に恵まれなくても知恵と技術で戦い抜いてきた

最後のメッセージ「失敗を恐れずに挑戦してほしい」

トークショーを終え、約3時間のデジタル野球教室は全プログラムを終えた。各コーチからお礼が述べられ、最後に桑田氏から今後の活力になるメッセージで締められた。

「僕に野球は本当に素晴らしいスポーツだと思っています。皆さんも野球からいろんなことを学んでもらいたいです。

 勝負の厳しさもあるし、友達やチームメイトと助け合うこと、道具を大切にすること。 あいさつを大事にするとか、野球からたくさんのことを学んで成長してほしいと思います。

今日、皆さんに伝えたいことがあってね。 失敗を経験することを頭に入れておいてください。失敗していいんです。 僕もそうですけど、ここにいるみんないっぱい失敗してきた。

でも大事なところは、その失敗からどう学ぶかです。野球でも勉強でも人生でも、これから失敗を恐れず挑戦するんだという気持ちで、楽しい充実した人生を送ってほしいと思います」

終了後の囲み取材に応じた桑田氏。ここでは学生野球の未来に向けて制度や現場について私見を述べた。

つづく

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