
球心会が開催した「野球界の未来会議」経済界や野球界OBが集い、日本野球や子どもたちの将来を議論する
12月10日、都内で『“BEYOND OH!VISION MEETING “ 「野球界の未来会議」』が行われた。
一般財団法人「球心会」の王貞治代表・栗山英樹副代表、またビジョンパートナーなどが一堂に会し、野球界の未来について議論を重ねた。
(写真 / 文:白石怜平)
「将来の子どもたちのために、今するべきこと」を議論
「一般財団法人球心会」は、日本の野球そしてスポーツ界から“世界的なヒーロー”を輩出し続けることを目指し5月に発足。
野球界に関わる組織及び団体が一体となり、子どもたちを中心に野球の魅力・楽しさを伝える活動を行っている。
球心会の活動は「BEYOND OH!PROJECT」と題し、 野球の裾野を広げる機会の創出から財源の整備まで、多角的に展開させていく。
11月15日・16日には初の主催イベントである「BEYOND OH!PLAY KIDS」を東京ドームシティで開催。
『「はじめて」に触れ、楽しみ、誰かの一歩になる特別な日』をコンセプトに、親子が一緒となり野球に触れ合ったこのイベントは大盛況となった。
初日に行われたグラウンドでの体験会だけで約1500人が集まり、周辺のラクーアガーデンステージやセントラルパークも活気で溢れる2日間になった。


イベントから約3週間後、球心会は早くも次のアクションを実施。それが『“BEYOND OH!VISION MEETING “ 「野球界の未来会議」』である。
ここでは今年度の活動並びに来年度以降の方針共有に加え、「日本野球界の未来会議」と題してディスカッションの場が設けられた。
~将来の子どもたちのために、今、野球界・スポーツ界としてすべきこと~をテーマに経済界・野球界OBの面々を交え、今後の球心会の活動に反映するべく議論が交わされた。
今回の議論には、野村證券株式会社や株式会社ビズリーチなどのビジョンパートナーのトップ・役員、そして野球界OBからは球心会のアンバサダーである井口資仁氏・岩隈久志氏・上原浩治氏・立浪和義氏の4名が参加した。

会議では開催に先立ち、王代表と栗山副代表がそれぞれ挨拶を行い、改めて熱い想いを述べた。
「日本の野球界、まだまだいい形にする方法はたくさんあると思いますので、皆様といろいろ意見を交換させてもらいながら、日本野球の30年後・50年後の未来を考えていきたい。
やっぱり野球は楽しいんだと。 これは我々そして今日ご出席の皆さんはもちろんのこと、野球をやってきた人、また野球をテレビなどで応援するなど大変ご理解をいただいている方たちもたくさんいると思います。
その輪をもっともっと広めて、我々も前へ進んでいきたいと思いますので、今日ご意見をいただきたいと思います」(王代表)

「日本では野球がスポーツ界を引っ張ってきた歴史がありますし、次の世代に野球そしてスポーツの環境を日本に残さなければならないという、そういう責任があると思います。
皆さんの意見を借りながら、僕らができることを一生懸命考えていきたいですし、みなさんに応援していただきながら前に進んでいきたいと思うので、本日はぜひよろしくお願いします」(栗山副代表)

今年度の取り組みの成果と来年への展望
両名の挨拶後は、球心会の取り組みについて共有が行われた。上述の「BEYOND OH!PLAY KIDS」の報告を行った際、あるアンケートのデータが発表された。
当日の参加者を対象に調査を行い、野球との関わりでは42%が「まだ野球をやったことがない」子どもたちであり、参加したきっかけが「たまたま知って楽しそうだと思ったから」が35%と、それぞれ最も多い割合であった。
プレゼンターを務めた球心会の梅原美樹・専務理事も以下のように手応えを語った。
「“野球やったことのない方たち”や、“たまたま知って楽しそうだったから”といった、まさに来てほしい方に参加いただきました。
元々ハードルが高そうなイメージを抱いていた方々でも、野球を始められるきっかけになれるアクションを今後もしていきたいと考えています」

今年度の具体的な取り組みではもうひとつ、「BEYOND OH!PLATFORM」を11月中旬にリリース。
これは野球に興味を持ってくれた子どもたちや保護者が、安心安全な環境で取り組めるための情報が集まったプラットフォームである。
野球のルール解説や始め方などが分かる「初めての野球ガイド」や保護者向けのブログ「ママブログ」など、ライト層やエントリー層が気軽に知ることのできる野球にまつわる情報が詰まっている。
今後は食やトレーニング・教育など野球少年少女を育てるうえで抱く悩みをユーザー同士で情報交換のできるコミュニティサイトや近所の”チーム”や”野球イベント”を検索できる機能拡張を予定している。

王代表らが精力的に活動するのと並行して、野球界OBの面々がその想いに賛同するべくアンバサダーに続々と就任している。
今回の会議に参加したOB含む30名が就任を発表しており、今後もアンバサダーは増える見込み。加えて、ビジョンパートナーとして賛同を希望している企業も続々と集まるなど、球心会を中心とした輪が広がりを見せている。

そしてこのセッション最後は今後の方針について。梅原専務理事は来年以降の展望についてこのように述べた。
「今お伝えした『PLAY KIDS』や『PLATFORM』を、野球界の各団体さまの力を引き続きお借りしながら横展開していくため、準備を進めているところです。
次のステップとしては2つ目の柱にある、『地方創生ボールパークプロジェクト』にも着手していきたい考えです。
実現には国や地方自治体、地域の方々そして企業様との連携が必要になってくると思うので、今議論を進めているところです」
「情報発信をすることも大きな仕事の一つ」
「野球界の未来会議」は、球心会とビジョンパートナー並びにアンバサダーのみで行われた。
会議を終えた王代表は、「世界を知る方々からもさまざまな意見をいただいて大変ありがたかったです。従来の考え方とは違う意見も出て、『そういう見方もあるんだな』というようなことでいい勉強になりました」と振り返った。
ディスカッションを踏まえ、今回の目的である球心会として今後やっていくべきことの確認となり、改めて方向性を示した。
「我々は手前で考えてるところを、もっと先まで考えようという意見もありましたよ。野球界は少年野球からプロ野球と幅広いですから、もっと大きく考えてみようと。
ただ、“全員にとって良い”という案はないですから、それぞれが受け入れられる考えを集めていかなければなと思いましたね。
我々が手を挙げた以上は少しでも前へ進められるように、意見を集約していきたいし、情報交換をどんどんできるような形を構築していきます」

設立会見時、「私は球心会を代表して、どんどん皆さんに情報を提供するという役割を担います」と語っていた王代表。その想いは変わらず持ち続けている。最後、球心会が野球界で担っていく役割を述べて締めた。
「球心会としては横のつながりを強化していきたいです。そのためにも例えば我々が北海道で行ったことが沖縄にも伝わるような、そういった情報発信をすることも球心会の大きな仕事の一つだと考えています。
まず情報を集めて、これは絶対伝えるべきだということはどんどん発信していきたい。そうしていけばもっとお互いの距離も近づくんじゃないかなと、私はそう思います」
さまざまなアクションで親子に向けて野球の楽しさを発信し、同じ志を持った多くの仲間が集まることで魅力ある団体へと進化している球心会。
2026年もステップアップし、更なる発展を遂げようとしている。
(おわり)
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