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サッカー元日本代表 鈴木啓太 引退を決断した真相と”水を運ぶ男”の歩む道 〜連載企画最終回〜

夫人からの「辞めていいの?」

サッカーを辞めることを考えていた際、唯一相談したという相手が夫人だった。インタビューでは決断を伝えた時のやりとりを話してくれた。

「『辞めていい?辞めようと思っているんだけれども』と聞いたら『本当に辞めていいの?』って返って来たんですよ。

実は、2010年あたりに『辞めたい』と言ったことがあったのですが、『辞めたら?』って言われたんですよ。なので今回もそう言われるかなと思ったら違って。

というのも、10年当時はサッカーをするのが苦しいと感じていた時期だったんです。一方で15年は、サッカーがすごく楽しかった。妻も楽しそうにプレーしていることも知っているし、もちろん心臓(前年患った不整脈)のこともあったけど、『本当にやめていいの?』と。

10年の時は辞めないと思ったんでしょうね(笑)僕も「そうか。いつでも辞めていいならもう少し続けようか」と思っていたのですが、今回は本当にやめようとしていました。

と言った妻の反応もあって、自分でも『あぁ、本気でサッカーを辞めようとしているんだな』と感じたんですよ。

だとしたらやはりここでやめるべきだと。レッズサポーターの言葉もそうだし、自分が100%の力を出せないことのもどかしさがあった。プロフェッショナルとしてはそこができないのであれば、カテゴリ関係なくどこに行っても違うなと。

自分がこれまでやってきたプロとしての意地・プライドとレッズのサポーターの声などを考えて『ここでやめよう』というのを10月に決断した形です。そこまではサッカー続けようか迷っていましたね」

悩み抜いた末に15年、レッズのユニフォームを脱いだ

11月22日 の2ndステージ第17節、ホームでのヴィッセル神戸戦終了後、鈴木の退団セレモニーが行われた。

浦和レッズに関わる全ての方に直接伝えたいという想いから、この場で15年シーズン限りで引退することを正式に報告した。

「この場所でリーグチャンピオンを獲りシャーレを掲げ、アジアの頂点を掴み、人生で最も情熱に溢れた時間をみんなと過ごすことができて最高でした」

と感謝の気持ちを述べ、赤と熱気そして涙で包まれた満員の埼玉スタジアム2002に響き渡る大合唱を一身に浴びながらピッチに別れを告げた。

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