帝京大ラグビー部 岩出雅之前監督 強さの原動力は”リフレクション”「自分自身の捉え方が見え、行動や目標が変わってくる」
体験したことを”経験化”に
NSPOが運営しているスポーツ指導者の会員組織「ジャパンコーチズアソシエーション(JCA)」には、小学生から社会人に向けたあらゆる年代の指導者が在籍している。
二之湯代表理事も、「それぞれの年代に応じてリフレクションは可能だと思います。このどんな年代の指導者にも刺さるのではないか」と語り、リフレクションの重要性を話していただきたいとリクエストした。
「選手たちを自立させないといけない。それは本人が自分自身を見つめられる力です。(リフレクションは)100%やったほうがいい。我々は体験したことをいかに経験化させるか。ただ体験しているだけでは何も残らないですけれども、振り返りをさせる・意味を考えさせることに繋げていくと良い効果になると思います」
これまでのイメージでは、スキルの指導に長けている指導者が”いい指導者”という考えが先行しがちであった。しかし、今はスキルやフィジカルだけでなく栄養や休養、科学的側面など幅広い分野での理解が深い指導者が評価される傾向へと変わっている。
二之湯代表理事はこれらの項目に加え、「ぜひ、スポーツを通じてリフレクションも文化にできるように」と提言し、岩出氏もこれからの指導者の在り方について続けた。
「小学生には小学生の興味があり、大学生も戦術や技術性を求める精神を持っている。指導者も努力して追いつかないといけない。アスリートが必要なことを全部賄うのは難しいですが、俯瞰するために指導者も競技以外のことも学びながら、学生たちが納得するレベルまで努力するべきだと考えています」
この豪華対談は約40分で凝縮して行われた。最後、岩出氏はこれからについて語った。
「1チームの指導者から関わりは変わりますが、スポーツが世の中においてとても大切な存在になっていくような、多くの方が喜んでもらえるようなスポーツの魅力を発信していきたい」
3月10日に帝京大で新たに設けられた「スポーツ局」の局長に就任すると発表。この4月から、ラグビーに限らず帝京大のスポーツ部全体を統括する立場となった。
強いチームを創りあげてきた”岩出メソッド”はこれからも脈々と受け継がれていく。
(おわり)
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