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パラローイング代表候補から陸上へ。山岸英樹のパラリンピック挑戦「スポーツの楽しさ、障がい者への理解度を高めるきっかけに」

2021年夏、パラリンピックを控える裏で次大会を見据えトレーニングを重ねる1人のパラアスリートがいる。

山岸英樹(所属:EY Japan)。石川県出身の33歳は身体障がい者野球チーム「千葉ドリームスター」のエースでありながら、24年のパラリンピックを目指す競技の“二刀流”である。

障がいを負い一度は野球を断念したが、17年に身体障がい者野球チーム「千葉(当時:市川)ドリームスター」に入団し、競技者として再スタートを切った。そんな中で大きな目標が芽生えていった。

本編はパラリンピックを目指すまでに至った軌跡を辿る(※全文敬称略)

野球を再開し、新たにできた目標「パラリンピック出場」

山岸は小学校卒業を間近に控えた01年2月、てんかんの手術の際に脳梗塞を発症。左半身にまひを負った。中学校では3年夏まで野球を続けられたが、高校では自身の身体で活動することに限界を感じ断念することに。

野球を離れてからは、地元のジムでリハビリを兼ねてトレーニングを継続する。高校卒業後は上京しスポーツ専門学校に進学。体の動きなどの研究を重ね、スポーツトレーナーを目指した。

専門学校卒業後は、スポーツインストラクターやライフセーバーなど自身が学んだ経験を活かした仕事をしながら、17年には身体障がい者野球チームの市川(現:千葉)ドリームスターに入団。大好きな野球がついに再開できた。

17年にドリームスターに入団。投打で主力に

瞬く間に中心選手となった山岸の心に大きな目標が芽生えていく。

パラリンピックに出場したい

18年11月、居住地の区役所にあるスポーツ振興課に足を運んだ。そこで担当者から「東京都パラリンピック選手発掘プログラム」を紹介された。12月に陸上競技のプログラムが行われるとのことで見学に行った。

スタンドで様子を観ていると、競技関係者たちが集まってきた。当時178cm、83kgという体格の良さからスタンドで一際目立っていたのだという。フィールドに呼ばれ、陸上と自転車の関係者からスカウトを受けた。しかし、翌年2月に体力測定があるためそこで判断したいという旨を伝えその場を後にした。

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