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パラローイング代表候補から陸上へ。山岸英樹のパラリンピック挑戦「スポーツの楽しさ、障がい者への理解度を高めるきっかけに」

クラスが対象外となり競技転向へ

2月末から開始し、4月30日には育成指定選手の条件をクリアした。7月に正式に協会から認定され、調整を経て9月にチームに合流。

競技開始9か月後の11月にはPR3(最軽度クラス)男子肢体障害でローイングエルゴメーターの個人タイムが日本歴代トップに。20年1月以降も自己ベストを更新し続け、日本代表の座は目の前まで来ていた。

しかし、20年に入り新型コロナウイルスの感染が拡大し大会は延期に。自粛期間中は従来の練習ができない中でも、自宅に器具を揃えてトレーニングを継続。時間ができたことによって自身の身体とさらに向き合う機会も増えた。

中学時代から研究熱心。野球の動作に関する書籍などを数十冊読み漁り、それをトレーニングで実践することを繰り返していた。重量を挙げられるだけでなく、障がいの機能も改善されてきた。

「さらにパフォーマンスは上がる」

そう思い続けていた山岸は新たに20年6月からは初動負荷トレーニングも導入した。

初動負荷トレーニングとは、専用マシンを使い身体の連動性を高めながら、柔軟性の向上や関節可動域の拡大を目的に競技力アップさせるトレーニング。数多くのアスリートが利用するとともに、リハビリとしても多く活用されている。

初動負荷トレーニングでさらにパフォーマンスが向上した

これを取り入れたことで競技のパフォーマンスがさらに向上し、障がいの機能回復にもつながった。ただ、この結果が大きな転機を呼ぶことになった。

パラリンピック競技では、障がいの種類や程度に応じて選手を区分するクラス分けが存在する。山岸はこれにより、パラローイングで出場できる障がいの最軽度クラスからも対象外となってしまった。

そのため、年明けから自身のクラスで出場できる競技を新たに模索することになった。

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