身体障害者野球チーム「千葉ドリームスター」関東甲信越大会連覇 5年越しに打ち勝った厚き壁と新主将のリーダーシップ

初戦は関東王者・群馬アトムとの対戦に

ドリームスターの初戦は群馬アトム。03年に発足し、20年目を迎えた群馬県唯一の身体障害者野球チームである。

全国大会の常連チームで、春の選抜では準優勝3回・選手権も準優勝2回の成績を残している。昨年の大会はコロナ禍の状況を鑑みて、出場を辞退したため3年ぶりの大会参加となった。

一方ドリームスターは、上述の通り関東甲信越大会で3年連続準優勝(17年~19年)を果たしているが、いずれも決勝で群馬アトムに敗れており、優勝に向けた最大の壁として立ちはだかってきた。

今回は真の関東甲信越No1を決める大会として、厚き壁と言える群馬と初戦で相まみえることになった。

苦手意識も少なからずある中、チームを鼓舞し平常心へと持って行ったのは主将である宮内だった。

宮内は小学生時代までは少年野球チームに所属し、中学から陸上に転向。5000mの選手として活躍していたが、21歳の時の交通事故により左上肢全廃の障害を持ち、15年にドリームスターへ入団した。

野球を再開後は主に外野手、一塁手として主に右手を使いプレーしている。

主将として”自信”をナインに植え付けた宮内(提供:東京ジャイアンツ)

対戦相手が決まってから大会までの約2ヶ月間、選手たちには

「練習はどこよりもやってるのだから負ける訳がない」

と顔を合わせるたびに伝え続け、2年以上かけて培った自信を徹底して意識づけた。円陣でも輪の中心に入り、大きな声で活気をチームに呼び込んだ。

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