2年ぶり開催「全国身体障害者野球大会」”エースのために参加を”一丸となった名古屋ビクトリーが悲願の初優勝

昨年からコロナ対策を念頭に準備

5月8日、神戸総合運動公園にある「ほっともっとフィールド神戸(旧:グリーンスタジアム神戸)」・「G7スタジアム神戸」で全国大会が2年ぶりに開催された。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大により中止。例年は2日間に分けて行うが1日のみに縮小し、兵庫県のイベント開催方針に基づいて無観客で行われた。

感染対策を徹底し、無観客で実施した。筆者撮影

当日は、ガイドラインに沿った感染対策を徹底。選手やスタッフ・報道陣には2週間の検温表を提出し、試合後は都度ベンチの消毒を行った。選手以外はマスク着用必須の上、大会に臨んだ。

本大会の開催は多くの関係者の尽力により実現した。まず連盟は、昨年の中止からコロナ対策を念頭に置いた準備を進めた。

全国の参加チームを安全に迎えるため、提携している宿泊施設とも検討を重ねてきた。例年行う懇親会は自粛。食事はチームごとに時間を指定し、会場も複数設けることで密の防止を図るなど工夫を凝らしていた。

開催に向け奔走した、日本身体障害者野球連盟の田中摩耶子理事はこう語る。

「全国の参加予定チームには随時電話で現地の情報を共有し合いました。

『もしかしたら選手が揃わないかもしれないです』『今年はぜひやりましょう!』各チームそれぞれの意見や地域の状況がありましたので、我々は(神戸に)来ていただけるチームが安全に野球ができるよう準備だけは進めてきました」

しかし、兵庫県では今年に入り1月14日〜2月28日、4月25日から5月末までと2度の緊急事態宣言が発令。これに伴い運営の見直しを余儀なくされた。

宿泊施設は宣言期間中の営業自粛を決めたため、連盟はすぐに球場の使用及び審判団に協力いただけるかを確認した。

球場からは使用許可を得て、審判団は試合時の感染対策方法を共有するなど積極的にサポートした。さらに、今回は一般ボランティアスタッフに依頼できないため人手不足に悩んでいたところ、関西国際大学の硬式野球部と女子プロ野球チームの兵庫ブルーサンダーズが「開催に協力したい」と動いてくれた。

それぞれの状況を踏まえ、連盟は開会式・閉会式を自粛した上で縮小開催とすることを決断。各チームの参加については各々の判断を尊重した。

【参加チーム】
・神戸コスモス(兵庫県)
・龍野アルカディア(兵庫県)
・兵庫ブルーサンダーズ(兵庫県)
・京都ビアーフレンズ(京都府)
・京都フルスイングス(京都府)
・阪和ファイターズ(大阪府)
・大阪府ジャガーズ(大阪府)
・名古屋ビクトリー(愛知県)

最終的な参加は近畿地方の6チームと名古屋の1チーム。ただ、京都フルスイングスは選手の数が不足していたため、兵庫ブルーサンダーズに交流戦をオファー。急遽参戦が決まった。

兵庫ブルーサンダーズも参加。京都フルスイングスと親善試合を行った
(写真提供:NPO法人日本身体障害者野球連盟)

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