「第25回全日本身体障害者野球選手権大会」選抜チームが発揮した団結力と絆の2日間「最高のメンバーで試合をやれた」

井上選手の打棒と北川投手の好投で初戦突破

初戦は北海道・東北代表の新潟シリウスと対し、NEXUSは北川栄大(ぎふ清流野球クラブ)が先発マウンドに上がった。

初回に先頭打者の出塁を許すも、後続を抑え無失点で上々の立ち上がり。ベンチからは総出で迎えるなど、早くも結束した姿を見せた。

NEXUSの初戦先発・北川栄大

両軍2イニング無得点で、投手戦の様相を展開した試合は3回に動いた。先頭の1番・美藤奨太(当時香川チャレンジャーズ、今季より東京ジャイアンツ)が四球で出塁すると、1死2塁で3番・井上光紀が右前にタイムリーを放ち待望の先制点を奪った。

井上のタイムリーで美藤が先制のホームを踏んだ

井上の見せ場はさらにその先にあった。1−0で迎えた5回表、再び先頭の美藤からチャンスをつくると1死1・2塁で打席を迎えた。3球目を振り抜くと打球は中堅を超えた。激走を見せた井上はクロスプレーになるもタッチをかい潜りホームイン。

ランニング本塁打で一気に3点を加え、自身で4打点を叩き出した。ベンチもお祭り騒ぎとなり、ボルテージが最高潮に達した。

井上選手のランニング本塁打、激走の末ホームインした

大きな援護をもらった北川はその後も好投を続け、5回を無失点に抑える投球だった。最終回は井上がマウンドに立ち2点を失うものの、自ら挙げたリードを守り切りゲームセット。4−2で勝利した。

回を追うごとに団結力を増していった

林監督は初采配の試合で初勝利を挙げた。試合前の練習から得点シーンでも表情を崩さず常に真剣かつ冷静さを保っていたが、この試合で勝ったことについては、

「全員が勝ちたいという強い気持ちを持ち続けていましたし、伝わってきました。勝つことができ嬉しい気持ちでした」

と率直に想いを語った。なお、井上と北川は共に療育手帳を持つ選手。身体障害者野球では療育手帳を持つ選手は1チーム3名まで試合に出場できる。

義足や車いすの選手、腕に障害のある選手も同じチームでプレーすることで、お互いを補い合いながら自身の”技”を披露する。これが身体障害者野球の魅力である。

準決勝は王者との戦いもほぼ互角の勝負に

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