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【Dリーグ連載 第6回】 王者KADOKAWA DREAMSのKELOが小学生に伝授した「関節がないようなダンスの秘訣」 川崎市で特別授業

ダンスのプロ、Dリーグで2年連続チャンピオンに輝いているKADOKAWA DREAMS(KD)が3月14日、川崎市立大戸小学校で特別授業を行い、小学5、6年の生徒234人とともにダンスを楽しんだ。川崎市とともに製作した「ダンスレッスン動画」のお披露目も兼ねたイベント。前日13日にラウンド10でスイープ勝利を飾ったメンバーたちは、小学生たちと笑顔で踊っていた。(取材/記事:飯島智則)

川崎市と動画制作

特別授業の冒頭から、小学生たちのテンションは高かった。マイクを持ったJURIKAが「踊っても、歓声を上げてもいいよ~」と声をかけると、生徒たちはメンバーのパフォーマンスに合わせて拍手をしたり、歓声を上げたり、真似して体を動かすなど、体育館は活気に満ち溢れた。

リーダーKISAは「みんな元気でしたね。最初からノリがよかったし、質問タイムでも多くの生徒が手を挙げてくれてうれしかったです」と喜んだ。生徒の中にKDのジュニアユースメンバーがいたことも、要因の一つだろう。約1時間半の特別授業は大いに盛り上がった。

今回は、KDと川崎市が協力して製作した「ダンスレッスン動画」のお披露目会も兼ねていた。動画は入門、初級、中上級と3つのレベルに分かれ、授業や部活等で活用できる内容になっている。100台規模のカメラを使い、最先端の技術によってレベルの高いダンスを体感できると同時に、川崎市の魅力を感じられるよう市内各地で撮影した映像やCGなども使っている。

楽しそうに小学生を指導するKELO

映像披露やダンスレッスンの後は、小学生からメンバーへの質問タイムが設けられた。

Q:ダンスをしていて、難しい曲はありますか?

HINATA.M ないです。僕たちはどんな曲でも踊れます。

Q:先ほど、関節がないようなダンスをしていましたが、どうやって動いているんですか?

KELO 水をイメージして腕を動かしています。水になりきって動いているんですよ。

この言葉を聞いて体を動かし始めた生徒に向かって「そうそう、うまい!」と声をかけていた。

漢字を勉強し直す

授業の後、リーダーKISAとDaichiが取材に応じた。

――ジュニア世代への指導をする際に気を付けていることは?

KISA 自分たちのリハーサルのテンションでいくことが大事かなと思っています。かしこまらないで、自分たちの年代と同じように触れ合うように。あと、声を出して、盛り上げていくことも意識しています。(前日13日のラウンド10でサポートメンバーだったKISAは、大声で応援したため声がかすれていた)

Daichi 最初は踊るのが恥ずかしかったり、周りを気にしちゃったりもあるだろうから、まず自分たちが楽しくパフォーマンスして、楽しく踊れるような雰囲気をつくることを意識しています。

挨拶する(右から)KISA、Daichi、Ryo

――2人はどんな小学生でしたか?

KISA 私は小学1年から6年まで「前ならえ」で一番前だったんですよ。2番目の子の手を(先頭のポーズである)横にすることを目標に6年間頑張ったんですけど、かないませんでした。あと寒さが苦手で、雪が降るだけで大泣きして帰っていましたね。休み時間はサッカーしたり、ピョンピョン跳ねるの(ホッピング)で遊んだり、フラフープをやったり、アクティブで元気な小学生でした。

Daichi 小学生の時って大体、男子と女子で(グループが)分かれちゃいますよね。でも、自分のクラスは男女みんな仲良いみたいなのが、ずっと続いていた気がします。先生とも仲良くて、先生と一緒に給食を食べたり、いろんなことをしていました。

――もしも今、小学生に戻れるなら、どんなことをしてみたい?

KISA 放課後に遊びほうけてみたいな。やっぱりダンスを習いに行くのに、(学校から)走って帰ってという生活だったので、みんなとグラウンドでキャッキャッして遊んでみたかったと思いますね。

Daichi 小学生に戻ったら、漢字の勉強をしっかりやっておきたいですね。大人になってそう思うので、漢字の50問テストとかあると思うんですけど、そこを怠らずにやっておきたい。あと、中学から行く友達とはもっと思い出つくっておけばよかったとは思います。卒業式であっさり別れてしまうでしょう。この前、成人式で久しぶりに会ったんですよ(2月7日で20歳になったばかり)。

KADOKAWA DREAMSはDリーグでの奮闘にとどまらず、海外の大会に出場するなど世界を目指し、なおかつ地元の川崎市をはじめ地域に密着した活動にも力を入れている。その一つ一つが、ダンス界、スポーツ界、エンタメ界の未来へつながっていくだろう。

あらためて、そう感じる特別授業だった。

ノリノリの小学生と一緒に楽しくダンス(動画)

◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年からフリーのスポーツライター、大学教員の二刀流で活動を始めた。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。

著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中。

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