「自分自身にテーマを課す」元プロ野球選手・喜田剛が明かす競争社会を生き抜いた”術”

若い選手たちへの”金言”

そして、自身の仕事だけではなく今サポートしている現役選手への貴重なアドバイスとしても役立っている。

「サポートしている選手に若い選手も多いので、できるだけ自分の経験を伝えようと思っています。どうしても若い選手はまだ自分のバッティングに目が行きがちです。『こうやって打ちたい』ではなく、対戦してるのは投手なので、本来は投手に闘争心を持って戦うべきなのです。

若い子は自分のスイングのことを考えてしまい、自分の中に敵を作りがちになってしまう。自分が打ちたいだけではなく、投手がいて捕手もいるんだよと。

相手は2人がかりで自分を攻めてきているのに、自分が打ちたいだったり、フォームがどうとか体が開いてるなどと考えていたら勝てるわけないです。そういう具体的な話をアドバイスしています。メーカーの一担当者とは違う点だと思います」

サポートの際は自身の経験も交えてアドバイスする(「キダゴchより」)

喜田は現役時代、4球団を渡り歩いた。1軍・2軍で活躍しセ・パ両リーグも経験してきた。プロ野球選手時代を通じて培われたものは苦労だけではないもう一つの”財産”があった。

「4球団在籍しましたので、さまざまな監督の下でプレーしたり、セ・パ両リーグ、さらにファームでもウエスタン・イースタン(リーグ)と全てを経験しています。人脈という点では、野球界では多い方だと自分では思っています。その繋がりも今の仕事にとても活かされていますし、強みになっていますね」

周囲に惑わされずブレない軸を持ち自身と向き合う。競争社会で生き抜いてきた男が語るからこそ説得力が増すとともに、一般社会でも結果を出すための必要なエッセンスを最後に示してくれた。

(おわり)

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