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プロ野球OBクラブのイベントで井川慶さんと小林雅英さんが対談 コーチと選手で過ごしたオリックス時代から05年日本シリーズでの心境も披露

1月31日、都内で「日本プロ野球OBクラブ ~MEMORY COLLECTION~」の最新回が開催された。

今回は小林雅英さん(元ロッテほか)と井川慶さん(元阪神ほか)の元MLB戦士2人が登場。プロ野球で活躍するきっかけと共に、直接対決した日本シリーズでの戦いについても語られた。

(文:白石怜平 / 写真提供:プロ野球OBクラブ)

2人はオリックスでコーチ・選手の間柄

「MEMORY COLLECTION」はプロ野球OBクラブが主催するイベントの一つ。トークショーに加え、サイン・写真撮影を行えるまさに“記憶に残る”豪華企画。

現在の対談形式では過去4回行われており、第2回までは西村徳文さんと初芝清さんの「ミスター・ロッテ」や、西崎幸広さんと田中幸雄さんによる「ファイターズ・レジェンズ」といった球団史にフォーカスした企画が展開された。

第3回からはチームの垣根を超えた対談へと発展し、飯田哲也さんと緒方耕一さんによる「セ界の韋駄天」、前回は荒木大輔さんと石井丈裕さんによる「早実同級生コンビ」など、野球ファンにとって楽しみが尽きない内容となっている。

前回に引き続き「○×」の札を挙げる質問で、アシスタントの中西智代梨さん(元AKB48)が2人に「この日を楽しみにしていたか」を問うと、すぐに○を挙げた。ここで両者の関係性を垣間見ることができた。

アシスタントを務めた中西智代梨さん(元AKB48)も大きな拍手を浴びた

「オリックス時代にコーチと選手として一緒にやっていて、いろいろな思い出がありましたので、本当に楽しみにしていました」と語った井川さん。

小林雅さんも「僕もコーチを終えてから毎年夏に東京ドームでやっている『サントリードリームマッチ』で一度会って以来、久しぶりに会ったので、本当に楽しみにしていました」と、再会を喜んだ。

2人にとっても久々の再会だった

トークショーでは2人の接点について、MCを務めた星俊さん(プロ野球OBクラブ)から問われると、「2005年の日本シリーズじゃないですかね」と小林雅さんは答えた。

ただ、直接会話したわけではなく井川さんも「オールスターでマサさんが投げてるのを自分はランナーコーチで見てたくらい」だったと語る。

井川さんが上述した通り、オリックスで共に同じユニフォームを着ることになったが、当時の印象的な出来事について小林雅さんは遠征時の出来事を挙げた。

「ファームの遠征でドラゴンズ戦があったので名古屋へ行ったんです。 ナゴヤ球場で試合をやるのに少数精鋭で行くんですよ。 3連戦だったら先発ピッチャー3人で、リリーフが5〜6人かな。

そしたら(井川さんを差して)熱出しよって(笑)。『頑張って投げます』って言ってくれたんですけども、『無理しないでいいよと』。

そこまではいいんですけども、3連戦で危険球退場などがあってやりくりに苦労したことがありました。それが慶ちゃんとの思い出としては印象に残っていますね」

オリックス時代のエピソードで早速盛り上がる

一方で井川さんは12年にオリックスへ入団したが、この年は小林雅さんがコーチとしてデビューした年でもある。当時の姿を見て感じたことがあった。

「キャッチボールをしても選手より球速いですし、よくウェイトトレーニングをされるんですよ。選手よりもしっかりやっていたのがすごく印象的でした。現役復帰すればいいのにってずっと思っていましたから(笑)」

コーチだった小林雅さんに驚きと尊敬を持っていた

2人が一軍定着を掴んだきっかけとは?

トークは3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やMLBにまつわる話などで一層盛り上がりを見せる。

中盤からは互いのNPB時代の話題に。小林雅さんはロッテの抑えとして“幕張の防波堤”と称されるなど、日米通算234セーブをマークした。

プロ2年目から抑えとしてのキャリアをスタートするが、その年にプロで生き残れる可能性を感じたターニングポイントがあった。

「あの年は序盤調子が悪くて、先発ローテに入って3試合投げたんですが結果が出ずに(ローテーションを)外れてしまったんです。

それで中継ぎに回って、(4月25日の)ひたちなか市民球場で投げた日本ハム戦で無死満塁を抑えたんです。この試合で『こう投げればプロで活躍できるかもしれない』というきっかけを掴みました」

幕張の防波堤誕生秘話が明かされた

以降もリリーフで結果を残し、当時抑えを務めていたブライアン・ウォーレン投手が不調だったことから、小林雅さんが9回のマウンドを守るようになった。

プロ初セーブは同年8月21日の日本ハム戦だったが、その時にベンチではあるやりとりが行われていた。

「あの試合は8回を抑えて、気持ちも『もう自分の仕事は終わった』と切っていたんです。そしたら『もう1イニング行ってくれ』と。

でも気持ちも切っているので、『無理です』と答えたら『頼むから行ってくれ』ということだったので、『もし失敗しても僕の責任じゃないですよ』と行って9回も抑えてプロ初セーブ。そこからずっと抑えをやりました。

シーズン途中での配置転換だったので、プレッシャーなくマウンドに上がることができたと思いますね」

井川さんは阪神のエースとして2度の優勝に貢献。03年には20勝を挙げ沢村賞そしてシーズンMVPにも輝いている。井川さんが一軍で本格的に先発ローテーションへと入ったのは01年だが、その前年の話から明かしてくれた。

「3年目(00年)のオールスター以降にローテーションに入らせてもらって、1勝3敗と結果は出なかったんですけども、当時左の先発が誰もいなかったんです。

さらにその年のオフに湯舟(敏郎)さんが近鉄へトレードで移籍したんです。代わりにピッチャーで来たのが面出(哲志)さんだったのですが中継ぎなので、やっぱり左の先発がいないと。

それで僕が再び入ることになって今度は結果を残せたので、チャンスを掴んだ感じです」

貴重な先発左腕としてチャンスを手繰り寄せ掴んだ

両者が直接交わった2005年の日本シリーズ

最後のテーマは「2005年の日本シリーズ」。ロッテと阪神が対し、両者が主力同士でぶつかり合ったシリーズでもある。ロッテが4連勝で幕を閉じた当時の戦いを、両チームの視点から振り返った。

レギュラーシーズン2位からプレーオフを勝ち上がり優勝を勝ち獲ったロッテだが、やはり勢いがあったと語った小林雅さん。一方で、井川さんは勝算を持って大事な初戦のマウンドを任されていた。

「阪神としては試合までの期間が空いていて、実戦機会がなかったので厳しいなというのが少なからずありました。

でも2005年は確か僕がロッテとの交流戦で完封してるんですよ。 それが頭にあったので、普通にやれば行ける!って思っていました」

交流戦での完封勝利といい印象を持っていたが…

しかし、試合が始まるや否やロッテがその勢いを爆発させることになる。初回から今江敏晃選手の本塁打を浴び先制を許すと、井川さんは6回を投げ5失点で降板。

ロッテが7回裏に5点を挙げた途中で、球場を包んだ濃霧によるコールドで試合終了となった。

中継の映像では真っ白に覆われ打球の行方も判別できない状況だったが、ブルペンで戦況を見ていた小林雅さんは現場の状況を話した。

「現場はまだうっすら見えてたらしいんですけど、僕らブルペンでは『こんな状況で試合できないんじゃないか』って。

最後ベニーがホームラン打ったんですけども、僕ら誰も見えてなくて。ベニーが喜んでるからホームランなんだって分かったくらいでした」

初戦にエースを打ち崩したロッテはプレーオフからの勢いをさらに加速し、3試合連続二桁得点で連勝を重ねて王手をかける。

抑えの小林雅さんはセーブシチュエーションでなかったためこの間の登板はなかったが、第4戦に3−2と1点リードの9回表についにシリーズ初登板を迎える。

この話をする前段、ソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第3戦で王手をかけた9回に4点差を追いつかれてしまったことにも触れ、笑いも誘っていた小林雅さん。その流れからのシリーズ初登板を以下のように振り返った。

「一度4点差で救援失敗した反省を生かさないといけないなと。ただ、1点差の方が自分自身も集中できますし、その周りですね。

 チームメイトもそうですし、相手チームそして球場にいてくださるファンの方たちも、やはり集中力が1点差と4点差では全然違います。

本当に球場全体の雰囲気が違うので、僕もあの試合初めて日本シリーズで投げましたけども、良い緊張感で投げることができました」

シリーズ初登板の心境が語られた

9回表を無失点に抑え、ロッテが4連勝で日本一に。胴上げ投手にもなった小林雅さんは、感慨深い気持ちを思い出しながら当時の心境を述べた。

「僕が入った頃の千葉ロッテマリーンズから考えると、まさか数年で日本一を取れるチームになるなんて思ってなかったので、それは本当に嬉しかったですし、たくさんの方に恩返しできたという思いでした」

その後も参加者からの質問やプレゼントコーナーなど様々用意された「~MEMORY COLLECTION~」。トークショーの後はお待ちかねのサイン&撮影会で憧れのスターと直接の交流を果たし、盛況のまま終えた。

MLB時代のユニフォームなど懐かしいグッズにもサインを記した

(了)

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