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平野美宇選手 ミズノのイベントに登場 「ウケなかったらどうなるんだろうという近さでした(笑)」トークと卓球体験で笑顔あふれる空間に

11月某日、千代田区のMIZUNO TOKYOで「平野美宇選手特別イベント」が行われた。

ミズノのブランドアンバサダーを務める卓球の平野美宇選手が、10人のファンとトークや卓球体験で交流する1時間半となった。

(写真 / 文:白石怜平)

50年ぶりの快挙となったアジア選手権制覇

この日は600件をも超える応募の中から選ばれた10名が参加。ミズノアドバイザリースタッフの平令子さんが司会を担当した。

平野選手は欧州遠征から数日前に帰国したと語り、ハードスケジュールの中大会を戦っていた。

特に24年はオリンピックイヤーということもあり、話題は国際大会の話題を中心に展開された。直近では10月の「第27回ITTF-アジア卓球選手権大会」では団体で金メダルを獲得。

中国に勝利し、さらに団体戦では50年ぶりという快挙だった。平野選手は決勝で世界6位の陳幸同選手に勝利し、金メダルをもたらした。

イベントでは特別にそのメダルを持参し、身につけながら大会を振り返った。

帰国後にイベントへと参加した平野美宇選手

「中国に勝てたというのが特に嬉しい金メダルでした。パリ五輪では(女子団体決勝で)0-3で負けてしまった。

『やっぱり差は縮まっていないのかな』と思った自分もいたんですが、勝つことができた。最初は実感がなくて『あれ?すごいね?』と観客みたいでした(笑)」

平さん司会のもと、トークが進行された

平野選手が”緊張しないため”に行っていることとは?

また、パリ五輪では団体戦で銀メダルを獲得。その時の心境も平野選手へ質問した。

「特に団体戦では早田(ひな)選手の怪我の影響もあったり、張本(美和)選手も初出場だったので、”自分がやるしかない”と思って臨みました。

銀メダルを獲れて、日本の卓球界でこれまで築き上げてくださった歴史を途切れさせないように頑張れたので、まずはホッとしました」

長く日の丸を背負い、国際大会で世界を渡っている平野選手。そこで平さんは、プレッシャーを乗り越える秘訣について訊いた。

「日本は強いので、周りの方にも”銀メダルは確実だよね”って言われますし、言われなくても雰囲気で感じます(笑)。

私たちもそれを意識して緊張することもあるのですが、そのために練習から本番を意識して常に臨んでいるんです」

プレッシャーのかかる大会への準備について明かした

初めて聞いたという平さんは、具体的に行っていることを深掘りした。

「本番の試合は一度きりですが、数ヶ月前からイメージトレーニングをしていると自分の頭の中ですでに何回もその試合ができるので、反省を全部なくしてから試合に臨めます。

緊張してしまうと自分をコントロールできなくなってしまうので、目を瞑って頭の中で2分間試合をして場面ごとに切るんです。

例えば、『今日は1回戦の0-0から、次の日は2回戦の2-2で回ってきたところから』といった場面を想定して試合をしてから臨むことで、実際の試合を迎えた時は『1回やってるから大丈夫』ってあまり緊張しないんです」

イメージトレーニングを入念に行っている

会場は”なるほど”と全員が大きく頷き、平さんも「私も先に聞いておけば今日緊張せずに臨めたと思います(笑)」と全員が一流アスリートから勉強できたシーンだった。

「自然にできるようになるまでやるタイプ」

続いては質問コーナーに。いくつか寄せられた質問のうち、先の話に続いて”強いメンタルの秘訣”について挙がった。

平さんは平野選手のストイックさを表すエピソードとして、一つの練習を3時間以上も集中して行うことについて、その真実を訊ねた。

「本当です。16〜17歳の時とかは、バックハンドを強化していた時期でした。リオ五輪に落選して”絶対に東京五輪に行くぞ!”という想いで、これまでは回転重視だったのですが、スピードやプラスチックボールに対応するためにフォームを変えようと取り組んでいました。

3時間以上もバックハンドでの練習やったり、夜9時までワンコース練習をやって相手が指をつって終わるまでやってました(笑)」

技術を磨くために何時間も続けてこなしたという

なぜそこまで、没頭してできるのか。平さんがファンを代表してさらに問うとこのように答えた。

「周りは本当に強くて素晴らしい選手たちなので、私は練習やトレーニングを通じて”誰よりもやった”という気持ちを持つことで不安を取り除いています。

感覚が鋭い方じゃないので頭より体で覚える。目を瞑っても、どんなに緊張しても自然にできるようになるまでやるタイプなんです」

誰にも負けない練習量で世界を代表する選手へと昇っている

また、他競技のアスリートとはどんな交流があるかの質問に。ここでは、自身が刺激を受けていることについても明かしてくれた。

「仲良いのは同じミズノ(ブランドアンバサダー)の池江璃花子選手やバドミントンの志田千陽選手で、応援に行ったりもします。

友人であり尊敬するアスリートが頑張っている姿を見て自分も力になりますし、お互いしんどいことがあると思うんです。時には私も『なぜ自分だけこんなに辛いんだ』と思ったときも、他のアスリートの話も聞くとそんな状況でも結果を出している。

それを見たり聞いたりすると『あ、自分だけじゃないんだ』と思うことができるので改めて頑張ろうという気持ちになれるんです」

他競技のアスリートからも力をもらったと語った

平野選手と直接打ち合える特別コーナーも

続いては卓球の体験コーナーに。参加者全員が一人ずつ平野選手と打ち合いができる企画が用意された。セッティングされた台へ向かうと、「本当に一緒にできるの?」という表情で、順番を待ち侘びた。

その前に平野選手による実演が行われ、27個の的を何球で射抜けるかチャレンジした。素早く正確に的が打ち抜かれ、37球で全ての的を落として見せた。

27個の的を全て落としきった

これには平野選手も喜びを表すと共に、会場からも拍手が沸いた。そしてお待ちかねの1対1での打ち合いに。

参加者からの「バックハンドをやってみたいです」「フォアハンドでうまく打ちたいです」というリクエストに応えながらラリーを交わす。途中では平野選手から直接指導も。

「最初から面が下に向いてるので上に向けて」

「肘が上がってるので動かさずに前に」

などとアドバイスをするとすぐに打球が変わり、平さんも「全然違う!」とリアクションを見せるほどの変化を見せた。

さらには平野選手からスマッシュを受けるというまたとない体験も。大きな音と共に瞬く間ボールが通り過ぎていき、打球の速さに圧倒された。

平野選手のスマッシュも体験する機会に

「次の目標に向けて1試合1試合を戦う」

その後もサプライズでのプレゼントコーナーなど大盛況の中、イベントは終了。平野選手は、

「コミュニケーションとりながらってのはなかなかないので、みなさんと一緒に打つことができてすごく楽しかったです!」と笑顔で振り返った。また今後について問われると、

「パリが終わって、次の目標に向かっている時期です。大会が多いので怪我をしないように1試合1試合を戦って、目標に近づけるように頑張っていきたいですし、またイベントでみなさんとお会いできるように活躍できるようにしたいのでこれからも応援してください」

と力強く締めた。

これからも活躍を続けると述べた

終了後の囲みでは平野選手と一緒に平さんもこのように振り返ってくれた。

「連日連戦で帰国してすぐに参加してくれて感謝しています。参加者の皆さんも平野選手とボールを打てる機会はないと思うので、とても喜んでくださったのではないかと思います」

平野選手もファンの方たちと交流できたことで、充実感を持った表情で語った。

「近くでファンの方と一緒に話したりすることはなかったので緊張しましたが、平さんの司会に助けていただきながらお話できましたし、笑顔で卓球も一緒にできたので私も楽しめたイベントになりました」

参加者そして平野選手も笑顔が溢れた

このイベントの魅力は参加者との距離が近いこと。トークの際に実はある不安を抱いていたという。

「最初はこんなに(約1mと)距離が近く、お話を聞いてもらえるか・笑いが取れるのか不安でした。とにかく近くて、これウケなかったらどうなるんだろうという近さでした(笑)。プレッシャーを感じたのですが、笑ってくれて良かったです」

距離も近く、特別感ある空間に

イベントの最後に参加者へ向けたメッセージの中で語った”「1試合1試合を戦って、目標に近づく」。その考え方について最後に問われると、自らの意図を語った。

「今はみなさんレベルが高いので、行きたいと思って行ける大会はないと思っています。ですので、”どうやったら行けるか・勝てるか”を考えることが大事だと思って伝えました」

次の目標に向けて歩み続けている平野選手。この日はリフレッシュになると共に、間近の応援で再び力へと変える時間となった。

(おわり)

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