「第5回世界身体障害者野球大会」長嶋茂雄さんと身体障害者野球の絆、そして賞に込められたミスターの想いとは

【大会開催に向けた、長嶋茂雄さんのメッセージ全文】

”第5回世界身体障害者野球日本大会が5年ぶりに開催されることになりました。世界中を騒がせた新型コロナウイルスの影響で、2018年以来の開催です。大会開催実現に努力を重ねてこられた関係者の皆様にお慶び申し上げます。

名古屋は今回初めての開催となります。プロ野球・中日ドラゴンズの本拠地でもあり、名古屋をはじめ、愛知、岐阜、三重などこの地域は昔から野球熱が盛んなことはよく知られていました。今回の身体障害者野球にも関心を高める方が多いと思います。

今回参加する5つの国と地域は米国、プエルトリコ、大韓民国、台湾、日本です。このチームを相手に勝ち抜くにはどうすればよいのか。

3月に行われたワールドベースボール・クラシック(WBC)を思い出して下さい。日本は大会前から”世界一”を目指すと目標を掲げ、熱戦の末、狙い通り、アメリカとの決勝戦を勝ち抜き14年振り3度目の優勝を決めました。

ドームの電光掲示板でも英語版で表記された

日本列島は久しぶりに野球で盛り上がりました。野球の楽しさ、面白さを改めて知った子供たちも多かったと伝えられています。

選手全員、何が何でも勝ち抜くという強い意欲をもってチーム一丸となったことも勝因の一つでしょう。今年1月に車いすテニスの国枝慎吾さんが2006年世界1位になって17年、最後まで世界1位のまま現役を引退、3月にパラスポーツ界から初めて国民栄誉賞を授与されました。

彼は自分のラケットに「俺は最強だ」と書き続けていたといわれます。チームで戦う野球も同じです。選手それぞれが「自分のベストを出し切ろう」と取り組めば、チームの力は必ず向上します。

WBCに続いて第5回大会が大いに盛り上がることを願っております。”

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