川崎ブレイブサンダース「&ONE」プロジェクト 成功に導く”2つの絆”「365日川崎ブレイブサンダースと共に」

9月30日、Bリーグ2021−22シーズンがついに開幕した。B1(1部)に所属する川崎ブレイブサンダース(以下、川崎)は2日、ホームで行われた横浜ビー・コルセアーズとの”神奈川ダービー”に連勝し、上々のスタートを切った。

川崎はアリーナの外では、スポーツ界においてもユニークな活動を行っている。その1つが「&ONE」プロジェクトである。

20年9月に発足した本プロジェクトは、今世界で注目されている「SDGs(持続可能な開発目標)」にフォーカス。ここで定められている17目標のうち3目標に焦点を当てた施策に取り組んでいる。

前編はプロジェクトが発足するに至ったきっかけやプロセスに迫った。後編では、アドバイスを送るキーマンと川崎市の”2つの絆”にフォーカスする。

引き続き、川崎ブレイブサンダース 元沢伸夫 代表取締役にお話を伺った。(以降、一部敬称略)

プロジェクトに欠かせない蟹江教授の存在

約2年にわたる知識のインプットやメンバーとの議論の末、昨シーズンから具現化した「&ONE」プロジェクト。実現するにおいて必要不可欠な人物がいる。

それは、蟹江憲史教授(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 教授 / ジャパンSDGsアクション推進協議会 会長)である。

蟹江教授は元々、クラブの運営母体であるDeNAと接点があった。元沢は蟹江教授がSDGsに知見があることを知ると、自らアプローチ。プロジェクトのアドバイザーに就任し、現在も網羅的にサポートを行っている。

元沢も、蟹江教授の存在が本当に心強いと感じているという。

「施策案をたくさん出した段階から蟹江先生に話をぶつけて、いろんなアイデアを頂いたんですよ。先生からはよく言われるのは、『良い意味で考えすぎなくていい』と。アクションを起こすことがすごく大事だということで、今でも本当に助けていただいています」

プロジェクトのアドバイザーを務める蟹江憲史教授(Photo:Maruka Ichimura)

クラブは現在、SDGs17目標のうち「3:すベての人に健康と福祉を」「8:働きがいも経済成長も」「11:住み続けられるまちづくりを」の3つに絞って施策を練っている。

蟹江教授は上記を踏まえた上で、「他の目標も何かのタイミングでやれるところからやったほうがいい」という助言を何度か行っていたという。

それが形になったのが、前編でも挙がった今年3月27日・28日の2日間にかけて行われた「&ONE days」だった。

17目標全てにチャレンジすると銘打った企画は、蟹江教授の研究室との共同研究によって生み出された企画も実施した。川崎市内で獲れた新鮮野菜の販売やフードドライブ(賞味期限が近づいた食品を集めてフードバンクかわさきへ寄付)などは学生とともに創り上げた施策だった。

当日行われた新鮮野菜の販売。蟹江教授の研究室と共同で行われた ©KAWASAKI BRAVE THUNDERS

元沢も、「昨シーズン、先生のアドバイスが起点になりました。さまざまな形でアウトプットができたのは本当によかったです」とインタビュー中、何度も感謝の意を表現していた。

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