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宮本慎也さん「〜究極の守備講座~」を開講!中学生15名に継承される名手の野球道

8月6日、明治神宮外苑 室内球技場で「宮本慎也の野球道~究極の守備講座~」が開催された。

硬式野球でプレーする15人の中学生を対象に、名手から直接指導を受ける特別な機会が設けられた。

(写真 / 文:白石怜平)

キャッチボールで示した3つのポイント

ミズノが主催した本講座は、昨年7月にオープンした「ミズノショップ神宮外苑」の一周年を記念して行われた。

対象は硬式野球でプレーする中学生で、数ある応募の中から抽選で選ばれた選手たちが参加。

講師はNPB史上最多タイのゴールデングラブ賞10回(遊撃手6回・三塁手4回)を獲得した名手である宮本慎也さんが務めた。

NPB歴代屈指の守備の名手・宮本慎也さんが講師に

プログラムの最初はキャッチボールから。野球教室では常々「キャッチボールが一番大事」と強調する宮本さんは、始めるにあたって投げ方の説明から行った。

「右投げの場合は最初の時点で(踏み出す側)の左足に乗っかりすぎる傾向があります。そうなると投げてもボールに勢いがつかない。

軸足(右投げであれば右足)の上に頭があると、強いボールが投げられます。近い距離で投げる時でも軸足に乗せて、自分の頭が踏み出す足の前にいかないように意識しよう」

投げる際の最初のポイントは「頭を軸足側に残すこと」

踏み出し足が前に流れないことは、ある症状の防止につながると補足した。

「これまでいいボール投げれていても突然投げれなくなる“イップス”って聞いたことあるよね?自分の頭が下半身と一緒について行っている人がイップスの特徴なんです。

実は精神的なものではなく、技術の問題です。そこを放置するからハマってしまう。投げ方がしっかりしていたらイップスにはならないからね。その第一歩が軸足に頭を残すこと。

頭が一番体の中で重い部位なので、この頭をどうコントロールするかが大事です。それはバッティングでも一緒。突っ込んでしまったら打てないよね?キャッチボールが上手くなればバッティングも上手くなるからね」

キャッチボール中は、全体を回りながら一人ひとりの投げ方をチェック。

「真っ直ぐ投げたい方に力を向けるイメージで」
「(ピッチャーマウンドからなら)足はまっすぐ頭はセカンド方向に。あと体は前に行くけど膝は残す」

など気づいたことをその場で伝えると、すぐに球筋に変化も見られた。

マンツーマン指導も展開された

宮本さんは、故障防止の観点も交えたポイントを加えていた。

「左足を踏み出した時は手は上がってる。肘じゃなくて“手を上げる”こと。肘から出すことを意識してしまうと故障につながってしまいます。手の角度は90度くらいをイメージします」

映像で投球動作を見ると、肘から出ているため意識してしまいがちではあるが、これは肘を意識して投げているわけではないと説明した。これを踏まえ、どう体を使うのがいいかを説いた。

「イメージは胸の付け根から投げるようにすると、胸を上手く使えるので肘から出ないし、故障のリスクは軽減されます。なので絶対肘からは出さないよう注意してください」

アドバイスは腕や手の角度など丁寧に行われた

そして最後のポイントは“ボールの握り”。改めて正しいボールの握り方、そして指の添え方も詳細にレクチャーが行われた。

「人差し指と中指が離れすぎないよう、人差し指のその延長線上に親指が来るように。薬指がしっかり使えないと小指も上手く使えないです。極端に言うと、親指と薬指の先が少し重なるような感覚で」

3つ目のポイントはボールの握り方を解説した

キャッチボールを見ていた際、スライダー回転が多いことを指摘した宮本さん。スライダー回転だと野手であれば送球する際に低めに沈んだり、外側に逸れてしまうため捕球やタッチプレーが難しくなってしまう。

これらを防ぐためにもまずボールの握りから徹底すると共に、投げた際の指の位置についても補足した。

「投げたあとって投手のスローモーション見たことあるかもしれないけども、小指が反対向いているよね?投げ終わったときに小指が立つように向いているかもチェックしてみてください」

レクチャーではお手本の動作も交えた

実践にあたり、捕球から送球の流れまでをレクチャー

続いて実践編へ。宮本さんはノックを受ける前に一連の動作解説を行った。

「基本的に内野手ですとショートバウンドで捕る方が確実性が増します。理屈で言うと、ボールと目の間にグラブがあると間違いが起きにくいです。

それが落ち際で捕ろうとするとボールと目の間にグラブがないので、バウンドを合わせていくと合わなくなります。実はバントも同じです。ボールと目の間にバットが入っていると成功する確率が上がる。

失敗するのはボールと目の間にバットが入ってこないケースが多い。なので、守備ではボールと目の間にグラブを置くようにしてみてください」

途中で打球をさばく実演を披露。グラブに吸い込まれるように捕球し、滑らかな動きで送球される様子に参加者たちは自然と目を奪われた。

ショートバウンドで捕球する理屈を実演しながら解説した

また、指導の場で用いられる「グラブを立てる」「グラブを真っ直ぐ」という意味についても説明を加えた。

「グラブを立てるには力を抜くこと。力が入るとグラブが寝てしまいます。なので、下に降ろしたらグラブが抜けるくらい力を抜くように」

この場では一人ずつ力の入れ具合を確認しながら、体で理解するように促していった。そして最後は打球への入り方。送球動作も含めて大切なポイントを流れに沿って伝えた。

「ボールのラインにグラブを合わせれば正面に入れます。後はグラブを早く降ろしてから踵から入る。踵から入ると、つま先に重心が移ってグラブも降りているから自然と腰が落ちます。

あとは捕ったら必ず体を起こすこと。特にサードやショートを守っていて、捕ったままの体勢で一塁に投げることはほぼないです。

体を起こして足を踏み出して投げないと上から投げられないし、強いボールも行かないです。視野も狭まってしまうので、必ず体を起こしましょう」

送球には“体を起こす動作”が必要と説いた

参加者は宮本さんのレクチャーを踏まえ、ノックを通じて実践に入った。その様子を距離を取りながら見た宮本さんは、マイク越し一球ごとにアドバイスを送った。

集中を研ぎ澄ましているからか、ノッカーへの声がやや薄いと見ると「『(ノッカーに)お願いします!』って大きな声で!」と呼びかけるシーンも見られた。

ノック中も都度アドバイスを送っていた

最後に伝えた継続と感謝

ノックを終えると、再び輪の中心に立った宮本さん。個別の質問に答える時間を設けた。そして最後は、これからの成長に向けたヒントとエールが贈られた。

「何事も“継続”することです。気持ちが乗らない時はバットを握るだけでもいい。そうすると5本・10本って振ってみたくなるし、プラスチックのボールを壁に投げるだけでも、今日教えた感覚が身につくことに一歩つながります。

今日はたくさん教えたので全部マスターするのは難しいと思います。なので何か一つでもこれから実践してみてください。今話した継続してやることが大事なので。

後はお母さん・お父さんに感謝して、結果を考えすぎず一生懸命野球を続けてください。もちろん勉強もしっかりとやりましょう」

濃密な2時間は瞬く間に終了した

本守備講座は約2時間にわたり行われた。レクチャーにも1時間近く使い、頭と体の両方を使い切る充実した時間となった。

(おわり)

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