元中日・吉見一起 プロ野球OBクラブ新企画に登場 トークショーで語った侍ジャパンでの経験とドラゴンズへの”アドバイス” とは?
「いい経験になりました」侍ジャパンでの10日間
当日、会場には約40人のファンが集まった。開場からすぐに席は埋まり、今か今かと待ち侘びる様子が見られた。
10時になり、イベントがいよいよ始まった。冒頭、OBクラブの公式YouTubeチャンネルでもMCを務め、この日の進行役を務める中嶋絵美氏が登壇した。開会の挨拶をした後に吉見氏を紹介。壇上に向かうと大きな拍手に包まれた。
会場は約40人のファンで席はすぐに埋まった
最初の話題は侍ジャパンでのコーチについて。吉見氏は7月29日から10日間、台湾・台南市で開催された「第6回 WBSC U-12ワールドカップ」(W杯)に投手コーチとして参戦した。
監督は現役時代共にユニフォームを着て優勝を味わった井端弘和氏。ドラゴンズ時代、幾度となくピンチを救ってくれた先輩と今度は監督・コーチとして日の丸のユニフォームを着ることとなった。
コーチとして子どもたちを指導するのは初めてという吉見氏。大会を終えたのがこの日からちょうど1週間前というタイミングでだった。
「残念な結果でした。アメリカは体格もレベルも圧倒的に違うなと感じました。最終回までは6-7と1点差(※最終的には6−21で敗戦)だったのですが、投手がいなくなってしまったんです。選手のやりくりの大変さを感じましたね」
この大会で侍ジャパンは、参加11国中7位に終わった。メンバー決定が大会の約2週間前と準備期間がとても短く、現地入り後も隔離期間がありチーム作りが難しい部分もあった。
また、選手の選考は最初「侍ジャパンU-12代表 全日本合同トライアウト ~デジタルチャレンジ~」と題し、公募で全国から動画にて送られた。
井端監督や吉見コーチらが何度も動画を見て絞り込みを行い、トライアウトを経て最終的に18人が選ばれた。
動画で選考を行う難しさもさることながら、選手選考において今後の課題があったという。
「体格やボールの速さ、飛距離は個人差が出てきます。日本の野球は守備や走塁で相手の隙を突くことができます。そういうものでカバーしていくことが必要だと感じましたね。
また、今回選んだ中でリトルリーグから選抜した選手もいました。リトルリーグはランナーのリードや牽制がないんです。その子たちにとって通常のルールと違い慣れていないですし、準備期間も短かったので日本の良さを出せなかったと反省しています」
井端監督と共に選手には生活習慣を指導することもあったそう。グラウンド外でも子どもたちと接することで、指導者のキャリアとしてまた1つ経験値が加わった。
「いい経験ができたかなと。もちろん勝ちに行ってはいますが、野球だけできればいいわけではないです。僕からも選手たちに伝えたので、いつかそこに気づいてくれればいいなという大会だったと思います」
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