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「俺たちはやったんや!」元オリックス・小川博文さん ”がんばろうKOBE”の下、「神戸の皆さんと一緒に戦った」リーグ連覇と日本一

96年、神戸で決めた連覇と日本一

今年こそ神戸で日本一という想いで迎えた96年。小川さんは”4番・遊撃”で開幕を迎えた。開幕4番という大役について問うと、

「打順が4番目だと捉えていただけたら(笑)。1巡目は4番目に打席が回ってきて4回で5回先頭だったら1番の役割。そういう感覚ですので、”4番”って言われると恥ずかしいんです。ホンマの4番じゃないんで(笑)」

前年同様に中軸から下位まで攻撃の幅を広く担い、打率も.288をマークするなどの活躍を見せた。守備ではこの年は遊撃に固定となった。

チームは前の年とは変わって、自身がプロ入り時に抜擢してくれた上田利治監督率いる日本ハムを追う立場になった。

「やはり逃げる方が辛いでしょう。終盤になるについて”ここは落とせない!”と言った試合での粘り強さ頭1つ抜けていのではないかと思いますね。

各々が役割を分かっていたので、それが経験ですよね。一度負けて『次はこうしたらもっと勝てるんじゃないか』と試行錯誤していった。それがうまく機能したのだと思います」

ブルーウェーブは8月に月間15勝を挙げ日本ハムを抜き首位に立つと9月23日、ついにこの日が訪れた。

「日ハム戦でD.J(ダグ・ジェニングス)が同点ホームラン。それでイチローがサヨナラで決めたんですよねレフト線に打って。大島(公一)も1塁からホームに還って。選手も凄いと思うんですけれども、何か僕らだけの力じゃないような気がしましたね。チームメイトがいてファンの人たち、そして被災された方たちが足を運んでくれたので、一体勝ち取った連覇でした」

96年には神戸でW優勝を果たした

2年連続で進出した日本シリーズ。この年は最大11.5ゲーム差を逆転してセ・リーグを制した長嶋茂雄監督率いる巨人が相手となった。

「前年にあの舞台を経験できたことがすごく大きかったと思います。日本シリーズ独特の雰囲気など分かった状態だったので、落ち着いて試合には臨めましたね」

その言葉通り、東京ドームで連勝すると第3戦からは神戸に。そこでも勝利して王手をかけると第5戦に勝利し、悲願の神戸での日本一を決めた。前年の”忘れ物”だった神戸でのリーグ優勝そして日本一をいずれも1年で達成してみせた。

「それはもうね、(前年に)地元でできなかった分爆発したと言いますか、『俺たちはやったんや!』という気持ちでしたね。神戸のファンの皆さんの前でしっかり胴上げまで見せられたというのが感無量でした」

最高の結果で神戸市民、ファンの方々と喜びを分かち合った。小川さんのキャリアは後半へと向かっていく。

(つづく)

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