日本プロ野球OBクラブ ファン交流企画を開催「川相昌弘・中根仁とオンライン野球観戦しよう!」
ファンからの質問
会も終盤に差し掛かり、最後は参加者からの質問コーナーに。
その1つに「打席で配球を読む時にどんなことをヒントにしていますか」という質問が寄せられた。
「すごいいい質問ですね。僕も川相さんの聞きたい!」という中根さんの問いかけから、まず川相さんが解説した。
「プロは何回も同じ投手と対戦するので、ある程度投げる球種や球速を分かっています。その中で投手の持つ球種が5種類くらい持っていても、実際にカウントを取ってくるボールというのは2種類くらいが中心だと思うんです」
と説明し、かつて対戦した山本昌投手(元中日)との対戦を例に挙げた。
「例えば山本昌は長いこと対戦しましたけども、彼は自分が不利なカウントの時にシンカー系(右打者の内側に沈む変化球)のボールを真ん中低めに落としてくるんですよ、1ボールとか2ボール1ストライクとか打者有利のカウントの時に。
彼は追い込んでから投げるシンカーとは少し違うんですけども、長いこと対戦していると、『このカウントの時ではこのボールでカウントを稼いでくるんだな』と大体分かってきますね」
打席で配球を読むだけではない。野球をするにおいては必要な能力があると付け加えた。
「野球って同じ状況ってあまりないじゃないですか?各イニングごと、走者の有無などで状況が刻々と変わってくるので、それを考えたら常にどういう状況なのかを判断する能力が大事です。
『この場合ならどうする』『このケースではどんなプレーをするか』という自己判断が重要になってくると思います」
続いて川相さんから「中根さんはどうでした?」と質問が。中根さんもこの話に納得しながら答えた。
「僕も川相さんと一緒ですね。風や球場の広さ・相手投手もそうですし、ワイルドピッチで進塁したりとか1球で大きく変わるので。状況判断ってすごい大事ですね。
これって若い時はなかなか難しいのですが、ベテランになって試合経験すると瞬時に考えられるようになってくるんですよね」
2人からのメッセージ
1時間半のイベントは2人の軽妙なトークで大盛況のまま終了した。藤生さんから最後に一言お願いしますというリクエストにそれぞれコメントした。
川相さん
「6月19日にプロ野球が開幕し、進み出したというのは僕らも嬉しいですし、ファンの皆さんも楽しみにされていたと思います。野球が盛り上がって世の中も一緒になって盛り上がってくれたら最高だと思いますので、楽しんでいただいただけたら幸いです」
中根さん
「皆さま今日はありがとうございました。僕も楽しませていただき、感謝しかないです。これから私も様々な企画も考えてやっていきますので、これから活動が広がっていければと思います。今後ともよろしくお願いします!」
(取材 / 文:白石怜平)
※本記事は2020年9月25日にスポーツメディア「Spportunity」に掲載されたものです。