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ブルーウェーブ日本一から25年 色あせない”がんばろうKOBE”の記憶 小川博文氏「神戸市民と一緒に勝ちとった優勝」

「神戸にこだわっているんです」熱い神戸愛

95年のリーグ優勝・96年の日本一。ブルーウェーブは神戸復興のシンボルである。

「スポーツの力は計り知れないです。その中で市民の皆さんと一緒になって前を向いて歩んでいく。その先頭がブルーウェーブだったのかなと思います」

現在は子ども達や保護者の方々に経験を伝えている©ORIX Buffaloes

震災から26年経ち、神戸の街は建物も復旧し活気を取り戻している。しかし、心の傷はこれからも完全に癒えることはない。自身も被災した立場として、風化させてはいけないという使命感を持っている。

現在はオリックス野球クラブのコミュニティグループに所属。地元の小学校訪問やバファローズジュニアのコーチを務め、自身の経験を子ども達や保護者の方達に伝えている。

「経験者たちがしっかり次の世代に伝えていく。それが大事です。自分の子どもたちにも、『1月17日は特別な日なんだよ』と言っています。みんなで支え合って生きている。それが強く自分の中にあるので、これからも大切にしたいです」

01年に横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)へ移籍後もアンダーシャツの袖に「がんばろうKOBE」と刺繍を入れてプレーしていた。神戸への愛着は人一倍強く持っている。

「もう神戸大好きです!人生の半分以上こちらに住んでいますし、街並みもすごく好きです。復興してさらにこの先どう成長していくのかを最後の最後まで見ていきたいです。だから僕は神戸にこだわっています」

最後の質問で今後の夢を伺うと「またいつか指導者としてユニフォームを着たいです。子ども達がオリックスに入団して将来一緒に戦って優勝できたら最高ですよ!」と明かしてくれた。

自他ともに認める熱い男。神戸の復興だけでない、夢の続きはまだまだ続いている。

次回、96年の日本一の際に胴上げ投手となった鈴木平氏に登場いただく。

(取材 / 文:白石怜平)

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