サッカー元日本代表 鈴木啓太 アテネ五輪最終予選での出来事と掴んだ赤き栄光 〜連載企画第2回〜
中には緊急帰国を余儀なくされる選手もいるほど深刻だったが、上述の通り鈴木は影響を全く受けることはなかった。
「後から振り返ると思いますけれども、日頃からサプリメント持っていったり、緑茶や梅干しを常備していたので自分は影響を受けなかったのかもしれません」
チームのコンディションが最悪という状況を乗り越え、日本代表は敵地でUAEに勝利。その後の日本ラウンドでも2勝1敗、計4勝1敗1分でグループリーグ1位となり、3大会連続で五輪出場を決めた。
その当時の経験は、今の活動にもつながるものになっている。この話題の最後に改めて語った。
「みんな試合に懸けて一生懸命やってきた中で、コンディションが整わなかったためにパフォーマンスを出せない。大事な場面で力が出せないというのはどれだけ不幸なことなのかというのを強く感じました」
講演やメディアでの取材でも、「いくら技術を磨いていても、試合でパフォーマンスを出せなかったら意味がない」と語るなど、コンディションの重要性を発信し続けている。