
「相手を大切にすること」吉田知那美選手らが夢を語る ユニクロが軽井沢でジュニアカーリングクリニック開催
世界の舞台で活躍するカーリング選手たちが、軽井沢の子どもたちと夢について語り合い、同じ氷の上でストーンを投げた。
ユニクロは9月16日、長野県の軽井沢アイスパークで「ユニクロドリームプロジェクト トークショー&ジュニアカーリングクリニック」を開催した。
イベントには、ミラノ・コルティナ2026冬季大会のミックスダブルスで金メダルを獲得したWranå(ヴラナ)兄妹が所属するTeam ErikssonとTeam Wranå(ともにスウェーデン)を講師として招聘。
さらにメダリストである吉田知那美選手(TYPHOON CURLING CLUB)も特別ゲストとして参加し、軽井沢町と隣接する御代田町で活動する小学3年生から高校生まで、約30人のジュニア選手と交流を深めた。
(文:白石怜平、表紙写真:©Karuizawa International)
仲間と夢を追うために、大切にしたいこと
ユニクロドリームプロジェクトは、子どもたちが好きなスポーツに出会い、体を動かす生活に親しむ機会をつくる取り組み。
ユニクロとスウェーデンのスポーツ界とのパートナーシップなどを背景に、日本とスウェーデンでトップアスリートを招いたイベントを実施しており、2026年8月時点で延べ8万3795人の子どもたちが参加している。
前半行われたトークショーのテーマは「夢」。吉田選手、オスカル・エリクソン選手、イサベラ・ヴラナ選手が登壇した。
選手たちが語ったのは、結果を手にする喜びだけではなかった。仲間との関係や目標へ向かう日々の価値、そして困難にぶつかったときに競技を続ける理由であった。
夢を叶えるために大切にしてきた姿勢を問われた吉田選手は、同じ目標を追う仲間だからこそ、競技の結果とは別に相手を大切にしてほしいというメッセージを届けた。
「友達と一緒に力を合わせてオリンピックに行きたかったので、どんなことがあったとしても絶対にその友達としての関係を崩さないこと、相手を大切にすること、負けてもずっといい友達で」

エリクソン選手は、そこに至るまでに仲間と重ねてきた経験そのものにも価値を見いだしている。いま練習を続けるジュニア選手たちにとっても、日々の一投やチームで過ごす時間を考えるきっかけになる言葉を贈った。
「オリンピックという舞台はもちろん特別ですが、これまで自分たちが歩んできた道のりすべてが本当に宝物であり、すべての瞬間が夢の叶った瞬間でした」

競技を続ければ、苦手なプレーや思うように結果が出ない時期にも向き合う。そうした困難を乗り越えるためにイサベラ・ヴラナ選手が挙げたのは、カーリングを始めた原点について。
「自分がカーリングをしているのは、カーリングが好きで自分を幸せにしてくれるからであり、その原点や理由を思い出すことが困難を乗り越える力になる」と、原点に立ち返ることが困難を乗り越える力になると子どもたちに伝えた。

続いて質疑応答で直接会話できるコーナーも設けられる。ここでジュニア選手からは「長く競技を続けられている理由は?」という質問が寄せられた。
吉田選手の答えは、壁にぶつかったときに相談できる相手を作ること。そして、その相手を海外にも広げるために英語を学ぶことだった。
「英語を勉強すると、海外の自分よりキャリアを持った選手に相談できるので、みんなも英語を勉強しよう!」
技術の練習以外にも、カーリングを続ける自分を支える手段があることを示した吉田選手。子どもたちは選手たちの言葉に真剣な表情で聞き入る様子が見られた。

世界で活躍する選手と同じ氷の上へ
トークショーの後は、氷上でのジュニアカーリングクリニックが行われた。
Team ErikssonとTeam Wranåの選手たちに吉田選手が加わり、地元SC軽井沢クラブのTeam Yamaguchiも指導をサポート。子どもたちはトップ選手から直接アドバイスを受けながら、練習に取り組んだ。
選手たちは子どもたちの輪に入りながら、技術や戦術に加えてチームワークの大切さも伝える。アドバイスを受けた子どもがストーンを放ち、好ショットが決まると、選手と歓声を上げてハイタッチを交わす場面もあった。

イベント後、吉田選手は子どもたちについて「アドバイスをしてもらえることだったり、夢を叶える方法だったりとかを、教えてもらえるっていうことはめったにない機会だと思うので、そういう機会を与えてもらってる子供たちに素直に羨ましいなって思いました」とコメント。
また、自身もエリクソン選手やヴラナ選手の話から参考になることがあったといい、今後のカーリング人生に生かしたいと語った。
イベント翌日から20日まで、同じ軽井沢アイスパークで「軽井沢国際カーリング2026」が開催された。クリニックに参加した選手たちが大会に臨む姿は、子どもたちにとって前日に聞いた言葉や氷上で教わったことを思い返す機会にもなった。
夢へ向かう道のりの中で、仲間とどのように歩んでいくか。吉田選手が残した言葉は、これからもカーリングを続けるジュニア選手たちへのメッセージとなった。
(了)
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