筒香嘉智 メジャーで改めて感じた金属バットによる弊害「反発係数の規定を設けることが必要」

報道陣の質問を終えた後、筒香から「少しいいですか?」と自ら報道陣に呼びかけ、ドジャース時代のエピソードを話してくれた。そのやりとりを紹介する。

「ベイスターズの時に甲子園を見ていて、テレビの球数を見た外国人選手が『なんでこんなに投げているんだ?』と疑問があった話を以前させていただきました。

僕が昨年ドジャースに移籍したタイミングで、『甲子園は有名なのか?』『日本の中でも甲子園という球場は知っている』と話した選手がいました。その時に『日本の選手はなぜ高校生は打球があんなに飛ぶのに、プロではパワーヒッターが少ないのかい?』と聞かれたことがありました。

僕は正直に『日本の金属バットはすごくボールが飛ぶ。BBCORのような規定がないから飛ぶんだよ』と答えました。そしたら、

『なぜ飛ぶバットを使うのだ?飛ばないバットを使う方が子どもたちのためにならないのかい?』

『小さい頃はわざと外野フェンスの近くから打ってホームランはいいものだと教える。年齢を重ねた時の選手のためを考えたら飛ばないバットを使った方がいいのではないか』

と話していました。金属バットの弊害というのは日本においては大きいと感じています」

筒香も以前から金属バットによる弊害について発信しており、日本独特の課題であると感じたエピソードであった。そしてこのイベントから10日後、大きなニュースがスポーツ界を賑わせた。

筒香が私財を投じ、故郷の和歌山・橋本市に子どもたちに向けた少年野球場「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」を建設していることが先日発表された。筒香が描く未来のスポーツ界の発信地がもうすぐ形になろうとしている。

(おわり)

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