筒香嘉智 メジャーで改めて感じた金属バットによる弊害「反発係数の規定を設けることが必要」

ドジャース時代に聞かれた疑問

また、この会でファシリテーターを務めたNPO法人BBフューチャーズの阪長友仁理事長からも質問が。それは「低反発バット」についてである。

日本の中学・高校では金属バットが用いられている。ただ、ここでは課題があり、高校を卒業して大学・社会人やプロに進むと、打者は木製との違いに悩まされたり、金属では飛距離が出やすい面から投手への負担(投球数・変化球が多くなることによる怪我)につながっていることが挙げられている。

一方、アメリカのアマチュア野球では、BBCOR(ビービーコア:Batted Ball Coefficient of Restitution)という低反発バットが主に使われている。BBCORとは、反発係数を木製と同レベルに調整した低反発バットで、2012年から大学野球や高校野球・リトルリーグで導入された。筒香も自身の体験を踏まえて答えた。

「僕自身もプロ入り時は、木製バットに慣れるまで苦労しました。アメリカのBBCORのように、重さや直径だけでなく反発係数の規定を設けることが必要と考えています。もちろんボールが飛んだ方が、見ている方々は楽しいと思いますが、実際にプレーしている子どもたちの将来を左右する重要な規定になると思います」

BBCORは反発係数の規定値(0.5)を超えないという認証を受けたバットしか使えないルールになっている。日本では、反発に対する規定値がなく、重量や直径で基準が決められている。阪長も「反発係数でルールを決めて木製に近いものにするのが望ましい」と意見を述べた。

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