「第24回全日本身体障害者野球選手権大会」”世界の盗塁王”福本豊氏が築いた歴史と名門チームの戦い

かつての”世界の盗塁王”福本豊氏が登壇

9時に開会式が始まる。神戸市消防音楽隊の演奏による音色を背に選手たちが入場した。門間雄司(かどまたけし)兵庫県議会議員、山内啓一郎・連盟理事長など来賓による挨拶で選手たちへメッセージが贈られた。

そして次に、元阪急ブレーブスの福本豊氏が壇上に上がりマイクの前に立った。

通算2543安打そして今もNPB記録の1065盗塁の記録を残した、かつての”世界の盗塁王”の登場に、一際大きな拍手が沸き起こった。

登壇し、エールを送った福本豊氏

40年を超える身体障害者野球の歴史において、福本氏は欠かすことはできない存在。

現役時代、福本氏ら阪急の選手は社会貢献活動に積極的に取り組んでいた。その一環で神戸市内の医療施設を訪問し、ソフトボールなどで交流を深めていた。

この医療施設に入院していた故・岩崎廣司氏は福本氏との交流をきっかけに、元々好きな野球をやりたいと、81年に初の身体障害者野球チーム「神戸コスモス」を創設した。以降、全国へと広がり現在に至っている。

連盟の名誉理事長を務める福本氏は、

「いやぁ〜今日は何も考えてなかったんですけどねぇ」と”福本節”を炸裂させ笑いを誘いながら、

「今日と明日、素晴らしい天気になりますね。いい試合をやってください。野球は何が起こるか分かりません。楽しみにしています。いい思い出を持って帰ってください。頑張って!」

と選手たちへエールを贈った。

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