
拳を突き上げ下剋上! RAISERZ 愛と涙の初優勝
世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 25-26 CHAMPIONSHIP」が5月31日、東京・江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで行われた。昨シーズン最下位に沈んだFULLCAST RAISERZが、涙の初優勝を果たした。(取材/記事:飯島智則、表紙写真はⒸD.LEAGUE 25-26)
全員で筋トレ
歓喜の叫び声とともに、RAISERZのメンバーがインタビュールームに入ってきた。
勝因を問われると、ディレクターのKTRが「みんなでしゃべっていいですよね?」と断り、メンバーに自由な発言を求めた。
KILLA TWIGGZが口火を切る。
「どのチームもいいチームで、ダンスもうまい。でも俺たち技術以上に、本当にいいチームだからこそ、今年俺たちが優勝したのかなって思います。士気ですね」
TINY TWIGGZが後を受けた。
「はい。みんなで毎朝一緒にストレッチしてみんなで筋トレして、みんなで試合の作品作って、試合終わったら全員で研究するために見て、全試合見てみたいな。みんなで本当に全てをやったっていうのが一つになった要因かなと思います」
チームの結束力を強調する言葉はインタビューの随所で表れた。リーダーのINFINITY TWIGGZが言う。
「Dリーグで一番仲いいんじゃないかなって、マジで思います。メシも毎日一緒に食うし、夜も連絡を取り合ってみたいな。 いらない電話したりとか。ずっとそういうやつらなんで。 だからこそできる、やっぱこのちょっと飛んだ作品というか、枠に収まらない作品だったりとかがDリーグに届けられてるのかなと思います」
昨シーズンは全14チーム中の14位。会場を盛り上げるパフォーマンスを演じても結果が出ず、ラウンドを重ねるごとにステージ上での落胆が深くなっていった。

INFINITY TWIGGZが振り返る。
「本当に何もうまくいかなくて、何も伝わらないってなりながら、でも、オレらは誰もあきらめなかった」
仲間がいなければ前に進めなかった。仲間がいたから前へ進めた。苦しく、深い悩みの中での結束は、決して「仲がいい」という軽い言葉で片付けられない。
だからこそ、INFINITY TWIGGZはステージ上で涙ながらに叫んだ。
「本当に皆さんに伝えたいのは、あなたがそれに全力で、それに向かって愛があるなら、絶対にあきらめないでください。そうしたら絶対結果がついてきます。それを僕らが証明しました」
この日に突き上げたメンバーの拳は、これまでで最も力強かった。

来シーズンは20チーム
Dリーグは創設6年目の今シーズン、大きく変わった。全16チームが各8チームずつHYPE、VIBEの2ブロックに分かれて競った。ジャッジ方法も獲得割合となり、テクニック、コレオグラフィー、シンクロパフォーマンス、エースパフォーマンスが12.5%ずつ、加えて会場ジャッジ、配信ジャッジが25%ずつと配点が高いのも特徴的だった。
Dリーグの神田勘太朗COOがステージ上の挨拶で語った。
「来年は7年目、次は20チームとなります。 もっと大きな炎をくべて、Dリーガー、チャレンジャーに恩返しがしたいし、応援してくださる皆さんにその熱を返したいです。Dリーグはまだ7年目に突入しただけです。今日悔しかったメンバーも、そして今日この場に立てなかったみんなも含めて、また来年非常に困難なステージを乗り越えて戦い続けていきます。来シーズンもこの熱量の中に僕らはいますので、どうか見に来てください。そして世界を取りにいきましょう」
26-27シーズンは10月6日のブロックHYPE、同7日のブロックVIBEから始まり、10ラウンドを戦う。チャンピオンシップは2027年6月5日に行われる。

◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年から大学教員、フリーのスポーツライターの二刀流で活動。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。
著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中