「野球から離れた時は抜け殻状態に」元プロ野球選手 喜田剛 アンダーアーマーでの再起と現在のセカンドキャリア

ベースボールハウスの店長として13ヶ月連続目標達成

最初に配属となったのは、現在もオフに現役選手がイベントなどで訪れる「アンダーアーマー ベースボールハウス川崎久地店」。しばらくして、店長の大役を任された。

「当時33歳、それまでアルバイトもしたこともないですし、サラリーマンとして働いたこともなかったので、まずお辞儀から勉強しました」

その言葉が表すように、まさにゼロからのスタートだった。何もかもが初めての中で、課された目標を達成しなければならなかった。日々模索していたが、さすがは元プロのアスリート。競争社会を生き抜いてきた男の本領がここで発揮された。

「どうせやるんだから目標は達成したいなと。アスリートとしての血が騒いだと言いますか。店舗で野球クリニックなどを立ち上げたりして、その他も試行錯誤を続けました」

店長時代、野球に関する企画で売り上げ目標を達成し続けた(喜田剛公式noteより)

店舗ではお客様の前に立ちアンダーアーマー製品を販売。販売だけにとどまらず、子どもたちを対象にした野球教室の開催など、野球の魅力を伝える活動を積極的に企画した。

その努力は実り、13ヶ月連続で売上目標を達成するなど確かな結果を残した。店長としての実績が評価され、15年からは親会社の株式会社ドームからオファーを受け転籍。

スポーツマーケティング部に配属され、野球担当として現在も行っているアンダーアーマー契約プロ野球選手をサポートすることになった。

アンダーアーマーと契約している現役プロ野球選手には、柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)や吉田正尚選手(オリックス・バファローズ)、山﨑康晃選手(横浜DeNAベイスターズ)など日本を代表する選手が野球ギアやウェアを使用している。

喜田はシーズン中に球場へ行き、選手と直接会話を重ねながらギアの使い心地や改善点などをこまめにヒアリング。選手が試合でベストパフォーマンスを発揮するべく球場に通う。

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