「会社は果たして令和を迎えられるのか…」倒産の危機を乗り越え転じた”2つの攻め”〜連載インタビュー第3回〜
計100社以上にプレゼンする日々
1人でも多く話を聞いてもらおうとひたすらピッチ(短時間のプレゼンテーション)に行き続ける。投資してもらうべく、腸内環境のビジネスにおける将来性などを必死に訴え続けた。
「あの時は朝から晩までピッチに行ってましたね(笑)100社以上やりましたよ。プレゼンをして駄目だったらリストに線を引いて次って。冨士川と一緒に行っていたのでお互い『どうだった?』って聞きながら、『じゃあ次どうやって話そうか』というのをずっとやっていました」
そして5月のGW明け、重ねた苦労がついに実った。複数の投資家に加えて大手企業などの出資が決まり、総額約3億円を調達に成功した。
「自分たちのやれる事は当然やったし、今思えばよくそれで僕たちに懸けてくれたなと。もちろん自信は持っていましたけれどもとにかく感謝です。夢を共有して『こんな世の中になったらいいよね』と言ってくれる方がいたのはありがたい限りです」
年明けから5月、半年近くに及ぶ地獄の日々。壮絶感で溢れていた。
「半年間ほど記憶がないですね。なきゃダメなんですけど(笑)。年明けから5月まで寝れない日々でしたから。ある人と食事したときに『なんて顔してるんだ』って言われて苦笑いでしかなかったですから」
その中でも客観的に分析し、反省することを怠らない。当時を振り返って気づいたことがあった。
「常に未来志向でなければいけないと思いましたね。”何のためにやっているのか”。僕は『腸内環境からアスリートのパフォーマンスを上げる』『全ての方をベストコンディションにする』そのためにやっています。
現実を見なければならないのですが、あの時は資金調達することに必死で周りが見えなくなってしまいました。よくよく考えてみると、そういう顔をしていたって何も起こらないですよ。
もちろん必死だから自然とそうなってしまうのですが(笑)そういう時期も必要なんでしょうけれども、常に未来を考えて行動しなければいけないと思いましたね」