「東京サンロッカーズ」の新時代へ Bリーグ史上初ドラフト1位・山﨑一渉が託された未来

B.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)開幕を前に、『東京サンロッカーズ』と新クラブ名を発表したサンロッカーズ渋谷。その“新時代”を象徴する存在として、新たな若き才能が加わる。

5月7日に行われた「BRAND NEW STAGE 発表会」。クラブ名変更や新ロゴ、新ビジョンなどが発表されたその舞台で、もう一つの“歴史的瞬間”が訪れた。

Bリーグ史上初となったドラフト会議で、記念すべき全体1位指名を受けた日本バスケットボール界の至宝、山﨑一渉(やまざき・いぶ:ノーザンコロラド大)の契約合意が正式に発表されたのだ。

米国でのプレーを経て、プロとしてのキャリアをこの新生・東京サンロッカーズで始めることを決意した若武者。その表情には、ルーキーらしい初々しさとチームを勝利へ導くべく不退転の決意が見えた。

(写真 / 文:白石怜平)

“成長できる場所”として選んだサンロッカーズ

新メインカラーの紫をバックに登場すると、この日一番とも言える拍手で迎えられた。

ドラフト1位指名を受けた心境について問われると、「最初のドラフトで、サンロッカーズのような素晴らしいチームに指名していただけたことは、自分としても光栄ですし、嬉しい気持ちでした」と、率直な喜びを振り返った。

山﨑には3つの選択肢があったという。アメリカの大学へ残る道。別大学へ転校する道。そして、日本へ戻り東京サンロッカーズでプレーする道。その中で、最終的に山﨑が重視したのは“成長環境”だった。

「自分としてはすごく迷っていました。でも自分が求めていたのは、しっかりと経験を積みながら結果を出していくことでした。

日本に帰ってサンロッカーズでプレーして、経験を積みながら結果を出して、代表活動にも参加していく。それが今の自分にとって、一番成長につながると考えました」

サンロッカーズへ入団した決め手を明かした

加えてサンロッカーズの印象について問われると、競技者として冷静な分析も交えながら答えた。

「ベンドラメ(礼生)さんや(田中)大貴さんのような日本代表を引っ張ってきたベテランの先輩たちがいて、JJ(ジャン・ローレンス・ハーパージュニア)といった若手がいる。

そしてジョシュ(・ホーキンソン)もいるので、ロースターだけ見ても本当にワクワクするチームだなと感じていました。

でもその中で苦しい試合も続いていたと感じていたので、だからこそ、“発展途上のチーム”という印象を抱いていました」

山﨑のポテンシャルは、アメリカでの数字が証明している。ノーザンコロラド大では32試合中30試合で先発。平均9.9得点、3.6リバウンドを記録し、特筆すべきはスリーポイント成功率36.2%、そしてフリースロー成功率は90.9%を誇る。

自らの強みを問われると、「201cmの身長がありながら、アウトサイドのシュートが武器であること」と即答した。その一方で、「ディフェンスを頑張る姿勢も見てほしい」と、守備への献身性も強調。

将来的には「自分がハンドラーになれれば、よりチームへの貢献ができる。そういうプレーを見ていただきたいです」と早くもファンの期待が増すコメントで会場を沸かせた。

サンディーとの握手も交わした

日本を代表する3選手からも込められた期待

来季共に戦うベンドラメ礼生、ジョシュ・ホーキンソン、ハーパー・ジュニアの3名も山﨑への期待を語った。この豪華な顔ぶれが並ぶ姿は、まさに新時代の幕開けを感じさせた。

昨夏、日本代表で共に戦ったジョシュ・ホーキンソンは、そのユーティリティ性を絶賛している。

「一渉は本当に体が強くて大きいのはもちろんなんだけど、すごく器用なんだ。2番から4番まで全てのポジションができるし、スリーポイントも入る。身体能力も高いから、来シーズン一緒にプレーできるのは本当に楽しみにしています」

日本代表で共にプレーしたホーキンソン(写真左)からも大きな期待を寄せられる

また、高校時代のライバルだったハーパー・ジュニアからは、感慨深いエピソードを披露した。

「自分が高校3年生の時のウィンターカップの最後、一渉に負けて引退したんです。その時、絶対にイブとは対戦したくないなと思っていたので、こうやって同じチームになれてホッとしています」と語り、会場を驚かせた。

これに対し山﨑も、ハーパーのリーダーシップとガードとしての成長を「チームを引っ張る大きな存在」と讃え、かつての敵が最強の味方となったことを喜んだ。

高校時代に対戦経験があり、来季からチームメートになる

そしてベンドラメ礼生は、「この身長で外から仕掛けられるのは大きな強み。綺麗なジャンプシュートを打つなと感じました」と評価。さらに、

「Bプレミアでは外国籍選手とのマッチアップも増える。フォワードの選手にディフェンスすることが多くなると思うので、そのディフェンスの部分を期待したい」と共闘する黄金ルーキーにエールを送った。

ベンドラメは活躍のためのアドバイスを送った

会見の途中、神田康範社長から手渡された新しい紫のユニフォームに袖を通した山﨑。「すごく紫がかっこいい。着るのが楽しみです」と語り、フォトセッションでは力強いガッツポーズを見せた。

歴史あるサンロッカーズが「東京サンロッカーズ」へと生まれ変わるこの年に、日本バスケの未来を担う大器が加わった。山﨑はファンへのメッセージを求められると、力強く語った。

「Bリーグ最初のドラフトで、1巡目1位で指名していただき、サンロッカーズのような素晴らしいチームに入れて本当に嬉しいです。ルーキーらしく全力でプレーしていくので、応援よろしくお願いします!」

東京サンロッカーズの新たな歴史を築いていく。そんな強い覚悟が、確かに込められていた。

神田社長から紫のユニフォームを直接渡された

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