
川崎ブレイブサンダース・米須玲音 指揮官のメッセージで取り戻した “迷いなき姿勢”と切り拓く新境地
川崎ブレイブサンダースは22日にホームの東急ドレッセとどろきアリーナで2025ー26シーズンのホーム最終戦を迎えた。
琉球ゴールデンキングスとの一戦は勝利を掴むことはできなかったが、勝久ジェフリーHCは「強い気持ちが見れた試合だったと思います」と、最後まで全力でプレーした選手たちを労った。
また、指揮官は試合後のセレモニーやその後の会見で「チームの未来は明るいです」と語った。その要因について問うと、山内ジャヘル琉人と米須玲音の成長を挙げ、その米須に会見後話を聞くことができた。

昨季36試合に出場した米須は今季更なる飛躍を目指したが、開幕直前のプレシーズンマッチでアクシデントに見舞われてしまう。右肩関節脱臼で長期離脱を余儀なくされた。
「開幕戦を迎えることができずに、メンタル的に落ち込んでしまっていました。でもやっぱり1日でも早く復帰したいと思っていましたし、チームに迷惑もかけていたので」と、負傷した時の心境を明かした。
負傷から復帰まで約5ヶ月を要する長い道のりではあったが、当時の過ごし方について振り返った。
「まずは怪我をしっかり治すことで、次同じ負傷をしないことを目的としてやってましたし、体の面では食事に気を使ったりして、栄養士さんとしっかりコミュニケーションを取りながら過ごしていました」

チームの戦況を見ながら復帰を見据える中、技術面ではあるテーマを意識していた。
「プレーの面では3Pシュートです。しっかり打ち続けることを意識していました」
怪我を治し、戦列に戻ってきたのが2月14日の宇都宮戦だった。復帰3戦目から12得点を挙げるなど早くも存在感を放つと、4月1日にはキャリアハイの1試合16得点をマーク。
現在、3Pシュート成功率は40.2%とチームトップの数字を誇る。まさに自身が掲げてきたテーマを体現している。
「復帰した直後からしっかりと3P(シュート)も入ってましたし、その点では、持っている意識が試合に出たと感じています」

勝久HCがこの試合で感じた確かな成長
米須にとって今節は3試合ぶりのスターティングメンバーだった。勝久HCは、その意図を以下のように語っていた。
「しばらくスタートで使っている中で、目指していた強度の高いディフェンスだったり、オフェンスでの積極性が何試合か見れない試合がありました。
なのでもう一度彼らに求めていることの再確認と、『ミスを恐れずにプレーしてほしい』というメッセージも込めてラインナップを変えていました。
前節の大阪戦では積極的なプレーが攻守両面でも見れたので、『しっかり準備できているな』と思い、今日はスターターとして起用しました」
自身も数試合波に乗れていないことは課題に感じていた米須。指揮官から受けたアドバイスで前向きになれたという。
「大阪戦のGAME1までの数試合、自分がなかなか乗れずに得点もあまり挙げられていませんでした。その中でジェフさん(勝久HC)にもアドバイスをもらったのですが、前半からシュートを打っていこうと。
『外れても入っても、“打つ”ということを大事にしていけば、後半大事な局面でパスが回ってきた時に、シュートを決めきることができるから』と言ってもらいました」

4月8日のSR渋谷戦から18日の大阪エヴェッサ戦までの5試合は1試合3得点もしくは0得点に終わっていた。しかし、19日の大阪戦GAME2では3Pシュート4本を決めるなど15得点をマークし、その積極性を取り戻していた。
そして今節でも3Pシュートを2本成功。勝久HCはその点も評価することに加え、米須の成長でさらに見えたポイントを述べた。
「彼は視野が広いのでパスを探すことも強みなのですが、自分自身が脅威になることで周りが空くことを体現しようとしています。
オフェンス面では気持ちの強いアタックが今日前半も見れましたし、後半では迷いのない3Pシュートを決めてくれました。ここ数試合は少し迷いが見えたように見えましたが、今日は積極的に打ってくれました。
それも深い位置からのシュートも迷わず打って決めてくれましたし、普段からそれも練習していたので、とても心強い存在です。ディフェンスに関してはファウルを使えるようになってきたことも成長につながっていると感じています」

米須自身も「特に後半、自分から積極的にシュートを打つことができた」と手応えを述べる。また、勝久HCが語った迷いなき姿勢。その点も米須に問うと、自身もさらに視野が広がったと続けた。
「パスを狙いすぎなくなりましたね。シュートに対して意識を置くようになって、ヘルプに来た時に周りを活かすことができる。プレーの幅が広がったところは自分の中でも感じています。
これを継続していければ、ディフェンスとしても相手にとって嫌なプレイヤーになれると思うので、そこを意識しながら今後もやっていきたいです」
米須は5日の横浜BC戦でも「自分がチームを勝たせるという思いで挑んでいます」と語っており、復帰後から一貫してその想いを持ち続けてきた。シーズンの残り試合は敵地での4試合、己のスタイルを貫いて来季への弾みをつけていく。
「自分が出た時にどうチームを勢いづけるかを常に考えながら臨んでいます。今シーズンは得点力をテーマとしてやってきた中で、今日の試合もシュートに対して自分が積極的に意識して攻めたことは良かったと思っています。
残り4試合も積極的にシュートを打ち続けて、次のシーズンにもつなげられるようにやっていきます」

得点へこだわることで、“自分自身が脅威になる”というスタイル。試合を重ねながら、着実に前進している。
残された4試合、そしてその先へ。米須が体現し続ける積極性こそがチームの未来を築いていく。
(写真 / 文:白石怜平)
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