
「自分がチームを勝たせる」闘志を結果で示した川崎・米須玲音 激闘のダービーで見せた躍動と反省
4月4日・5日と東急ドレッセとどろきアリーナで行われた“神奈川ダービー”。ホームの川崎ブレイブサンダースが横浜ビー・コルセアーズを迎えて行われた。
今シーズン週末ではホーム最終戦となる今節は1勝1敗。特にGAME2で川崎は第1Qに14点のビハインドを背負いながら、第2Q以降怒涛の反撃を見せ逆転勝利を飾った。
“一人ひとりが脅威になる”。そう掲げ、チームへ浸透させている勝久ジェフリーHCも
「全員でお互い刺激し合ってできたことがチームにとって収穫でした。“全員で戦う”のが我々のバスケです。本当に一人ひとりが気持ちを乗せて戦ってくれましたし、サンダースファミリーの皆さんの大声援が本当に力になりました」と総括する。
82得点中20得点以上獲った選手はいなかったが、2桁得点が5人(エマニュエル・テリー、篠山竜青、米須玲音、ドゥシャン・リスティッチ、ロスコ・アレン)とまさに全員で攻め、そして守り勝った試合であった。
勝利の輪の中心にいた一人が米須玲音。GANE2の後、23歳の若き司令塔は強い想いを口にした。
「今日は絶対勝ちたいと思ってましたし、自分でなんとか相手を崩して、自分がチームを勝たせるという思いで挑んだ試合でした」

この試合のプレータイムはロスコ・アレンに次ぐ28:24と、タフな試合をコントロールし続けてきたが、その見せ場は特に最終Qにつくった。1試合でのキャリアハイとなるフリースロー6本全て成功を含む13得点を挙げた。
最終Qスタート時点で59−58と接戦だっただけに、米須の活躍が勝敗を左右していた。ただ、その中で反省も欠かさない。
残り1分半の場面で自らのターンオーバーで失点につながっていたが、それでもタイムアウト明けに自ら得点を奪い、挽回してみせた。
「残り1分10何秒ぐらい残ってたと思いますが、やっぱり自分がターンオーバーした分、自分で決めきるという思いはありましたし、切り替えてやるしかなかった。
自分でアタックして点数決めれたのも良かったと思いますが、でも深く反省して、時間と点数を考えながらコントロールできたらと考えています」

勝久HCが会見で述べた“全員で戦うバスケ”。素早くパスを回し、全員でチャンスをつくりシュートを決める。指揮官の考えを体現した試合になったが、米須もこの試合の手応えを以下のように述べた。
「どこで攻めるか・どこで攻めたいかをお互いに共有しています、今日はボールがうまく回って、最終的には決めきるところまで来れました。
今日も横浜さんはタフショットでは決めてきたのですが、そこを最後までチェックしに行けば相手のターンオーバーにもつながってきますし、相手が少しでも嫌がって成功を防げるとチームで話し合っていたので、そこを今日出せたと感じています」

苦しい展開からのスタートとなったが、劣勢の中でどう修正していったのか。米須に問うと、チームとして取り組んでいることを明かしてくれた。
「僕たちの課題として、オフェンスで何とかしようという考えに陥ってしまい、最終的には負けてしまうということが多かったんです。そこをディフェンスや、フィフティ・フィフティだったりで流れを持って行けるようにチームでも話しています。
今日は後半からその流れを掴んで勝ちにつながったので、徹底してきたことが成長へと結びついていると思います」
早くも8日にはサンロッカーズ渋谷戦が控えている。残り試合も少なくなっている中で、次戦に向けての意気込みを述べた。
「一つ一つ勝ちにこだわることが大切だと思いますし、それが一人一人の成長にもつながっていくと思います。チーム全体でインテンシティ高くやっていくところをベースにしてやっていきます」
この勝利で示したのは、単なる1勝ではない。苦しい展開の中でもディフェンスから流れを引き寄せ、全員で戦い切るという“勝ち方”の共有だった。
その中心で米須はゲームを動かし、そして自らもスコアに貢献した。
若き司令塔が見せた「自分で勝たせる」という覚悟は、確実にチームの基準を引き上げている。シーズン終盤へ向かう中で、その一つひとつの積み重ねが、川崎の戦いをさらに強くしていく。
(写真 / 文:白石怜平)

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