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「ライオンズはまだまだやることがたくさんある」元西武・髙木大成が振り返る引退の決断と球団の社員への転身〜著書出版記念特別インタビュー第2回〜

「チームが強いのにお客さんが入らない」現役時に抱いていた課題

高木が球団の社員に転身する大きな理由の1つとして、現役時代に抱いていた疑問だった。それは上の発言にもあった

「チームが強いのになぜ、お客さんが入らないのか」

西武ライオンズは78年オフに誕生後、リーグ優勝18回・日本一10回を達成。現在もプロ野球記録である25年連続Aクラス(82〜06年)を成し遂げ、18・19年もリーグ連覇するなど強豪チームとして君臨し続けている。

観客動員数も新型コロナウイルス禍で入場制限がかかる20年より前までは、15年から19年にかけて毎年球団記録を更新。19年は1試合平均で25,000人以上を動員するなど、球団のたゆまぬ努力で多くのライオンズファンが球場へ足を運んでいる。

しかし、髙木が現役でプレーしていた頃は、セ・リーグとパ・リーグで観客数の差がまだ大きかった時代。巨人・阪神戦が組まれるセ・リーグの試合は満員になる一方、パ・リーグの球場は空席が目立つシーンも多くあった。

高木が在籍していた間、チームは全てAクラス。97・98年は主に「3番・一塁」で主軸を担い連覇に貢献した。レギュラーとして毎日グラウンドに立っていたからこそ、疑問はなおさら強く感じていた。

「選手はホームゲームでしたら打撃練習のあと一度引き上げて、試合前のシートノックで再度グラウンドに入るのですが、その時に観客がどのくらいいるかスタンドを見るんですよ。我々はプロですし、応援や歓声でよりパフォーマンスが上がるので、そこは誰もが感じながらやっていたのではないかと思います」

週末のデーゲーム、満員の西武ライオンズ球場(名称は当時)©︎SEIBU Lions

当時は「チームが強い=スーパースターがいる=観客が増える」という仮説が立てられていた。

「実際ライオンズは強いし、松井稼頭央(現:二軍監督)や松坂大輔が活躍したりなど、連日メディアに登場するスター選手もいました。それでも満員になるのは土日のデーゲームだけ。すごくもどかしさがありました」

まずはファンサービスを見直して多くの方にライオンズの魅力を知ってもらう。髙木はこのミッションを背に第二の人生の幕が開けた。

第3回へつづく

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