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元西武・髙木大成 「波乱万丈でした」10年間のプロ生活で味わった栄光と挫折〜著書出版記念特別インタビュー第1回〜

こだわってきた捕手を捨て、掴んだ栄光の2年間

迎えた2年目の97年、髙木は開幕スタメンを勝ち取る。当初は3番・DHで出場を続けていたが、4月30日からは本職の捕手ではなく一塁の守備に就く。

そして4月下旬、遠征先の福岡で東尾監督に呼ばれた。一塁手へ正式なコンバートの提案だった。

「4月の下旬頃だったと思うのですが、清原さんが巨人に移籍して当時ファーストを守っていたマルティネス選手(元西武-巨人)をDHにしたいと。そこでポジションが空くので『打撃を活かしてファーストに行かないか』という話でした」

髙木も当初は複雑な想いがあった。少年時代から守ってきた捕手に強いこだわりがある。ライオンズに入団したのも唯一捕手として迎えてくれたことが理由の1つだった。

でも伊東の地位は揺るがない。西口文也・潮崎哲也をはじめとする強力投手陣を引っ張ると共に、この年は打率.280を残すなど打撃も好調だった。

「最終的な結論としては、1軍でレギュラーを張ることがプロとして求めていきたいところだったので、試合に出るためにコンバートを受け入れる決断をしました」

ただ、一塁というのは、外国人選手が守るケースが多い。「ファーストの場合は、外国人の大砲が来たら出られなくなるので、そこのリスクはありました」と語るほど、髙木にとってもコンバートに迷った理由の1つであった。

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