
“夢の球宴”は30年間輝き続ける バース氏・原辰徳氏らレジェンド集結 最後まで沸いた記念大会「サントリードリームマッチ2026」
7月27日、東京ドームで「サントリードリームマッチ2026」が開催された。
1995年から開催され、今年で30回目という節目を迎えた“夢の球宴”には、3万5196人の観客が来場。往年の名選手たちがユニフォーム姿でグラウンドへ集結し、プレーだけでなく笑顔やパフォーマンス、そして現役時代と変わらぬ勝負へのこだわりでスタンドを魅了した。
(写真 / 文:白石怜平)
30回記念大会には大会の歴史を彩った名選手たちが集結
今回も山本浩二監督と張本勲GMが率いる「ザ・プレミアム・モルツ球団」と、田尾安志監督・大矢明彦GMが指揮を執る「ドリーム・ヒーローズ」が激突。試合は白熱し、最終回まで手に汗握る展開となった。
今年は記念大会ということもあり、30年間積み重ねられてきた歴史を振り返る演出も随所に盛り込まれた。
1995年の第1回大会から続く“夢や感動を届けたい”という想いは、30年という歳月を経ても変わることなく、東京ドームを埋め尽くした観客へ受け継がれていた。

試合前、東京ドームの照明が落とされると、大型ビジョンには30年間の名場面が次々と映し出された。歴代大会の映像とともに、第1回、第2回大会へ出場したレジェンドたちが一人ずつ紹介されると、スタンドからは自然と大きな拍手が沸き起こる。
グラウンドへ姿を現したのは、山本浩二氏・張本勲氏・田尾安志氏・川藤幸三氏・ランディ・バース氏・原辰徳氏・達川光男氏・江川卓氏の8名。
かつて日本球界を彩ったスターたちが一堂に会する光景は、この大会が30年間積み重ねてきた歴史そのものだった。

レジェンドを代表してマイクを握った原氏は当時のユニフォームを身に、初参加した当時を懐かしそうに振り返った。
「当時は周りが先輩ばかりで、僕が一番若手でした。元気だけは誰にも負けませんでしたね」
会場は笑いに包まれ、持ち前の軽妙なトークに温かな空気が流れた。最後は両チーム全員が一列に並び、サントリー流の乾杯「スコール」を三唱。
30回目のドリームマッチは、過去と現在、そして未来をつなぐ華やかなセレモニーで幕を開けた。

バース・掛布・“岡田”の3選手が、槙原投手と対決
試合はプレモル球団が澤村拓一氏、ヒーローズは能見篤史氏が先発投手を務めた。
2回裏、プレモル球団は1アウト満塁から桧山進次郎氏ののタイムリーで先制すると、その後も宮本慎也氏・井口資仁氏・内川聖一氏・高橋由伸氏まで5連打。この回だけで一挙7得点を奪う猛攻で主導権を握った。

一方のヒーローズも、4回表に松田宣浩氏の出塁をきっかけに山﨑武司氏の犠牲フライで1点を返し、反撃のきっかけをつくった。
そして、この日最も大きな歓声が上がった場面の一つが4回裏。マウンドには槙原寛己氏が上がると、2年ぶりの出場となったランディ・バース氏がゆっくりと打席へと向かう。
1985年、阪神の日本一を象徴する甲子園での“バックスクリーン3連発”を思い起こさせる夢の対決が実現すると、東京ドームは伝説を知るファンの歓声に包まれた。

バース氏は変わらぬ力強いスイングでライト前へクリーンヒット。現役時代を彷彿とさせる打球に、大きな拍手が送られた。さらに続く打席には当時の猛虎打線の4番を張った掛布雅之氏、そしてTー“岡田”氏が代打で登場。
ーバース・掛布・岡田ー
球史に残る黄金クリーンアップを現代版で再現する粋な演出に、スタンドは笑いと共に大きく沸き上がる。
一昨年まで現役だったT-岡田氏が放った鋭い打球はライト線へ伸びたが、オリックス時代の先輩である坂口智隆氏が見事なスライディングキャッチ。
ドリームマッチらしい遊び心と、一流選手ならではの本気のプレーが交差した場面だった。

最後まで諦めない姿勢が東京ドームを熱狂
試合後半に入っても、両チームの熱気は冷めることはなかった。6回表にプレモル球団は野村弘樹氏がマウンドへと上がり、平石洋介氏・今江敏晃そして松井稼頭央氏と“PL学園対決”が行われる。
この打席で松井氏は右中間を真っ二つに破ると、そのまま快足を飛ばして一気にホームイン。年齢を感じさせないランニングホームランに、スタンドからは驚きと歓声が入り交じった。

さらに7回には、バットを振り回し登場したパンチ佐藤氏の打球をプレモル球団に移籍したG.G.佐藤さんが、08年北京五輪をフラッシュバックさせる後逸。
会場は笑いと歓声に包まれ、数々のエピソードを思い出させるエンターテインメント性も存分に発揮された。
プレモル球団が追加点を挙げ9-3とリードを広げるも、このまま終わらないのがドリームマッチ。9回表に波乱の展開が待ち受ける。
満を持して岩瀬仁紀氏を抑えのマウンドに送り出したプレモル球団だが、ヒーローズは平石氏のタイムリー二塁打などで一気に3点を返す。
さらに二死一、二塁となった場面で登場したのがアレックス・ラミレス氏。すでにこの回2度打席に立っており、3度目の登場に山本監督が抗議する場面も。
ここで岩瀬氏に代わって再登板した澤村氏のストレートを現役時代と変わらぬ豪快なスイングでレフト前へ運び、2点差まで迫るタイムリーを放った。

最後まで勝敗の行方が分からない展開に、東京ドームは総立ちに近い熱気に包まれる。しかし、最後はプレモル球団が逃げ切り9―7で勝利。
30回記念大会にふさわしく最後の一球まで観客を魅了する熱戦は、プレモル球団が昨年の引き分けを挟み11連勝で幕を閉じた。
MVPには4安打の井口資仁氏「代表監督就任のお祝いをいただいた」
試合終了後には、表彰式が行われる。最優秀選手賞には4安打2打点と圧巻の打撃を披露した井口資仁氏が選出された。
この2日前には侍ジャパントップチームの代表監督就任が発表されており、お立ち台では「代表監督就任のお祝いをいただいたようです」と笑顔で喜びを語った。
敢闘賞にはランニングホームランを放った松井稼頭央さん、スーパープレー賞にはライト線への飛球を好捕した坂口智隆さん、そして観客投票で決まる「My MVP賞」には上原浩治さんが選ばれ、それぞれ副賞が贈呈された。

節目の大会を終えたサントリードリームマッチ。世代を超えて野球を愛する人々が集まり、憧れた選手たちが再びユニフォーム姿で往年のプレーを披露する。
現役時代を知るファンにとっては懐かしさを、若い世代には新たな野球の魅力を届ける特別な舞台であり続けている。
30年という歴史を積み重ね、時代を超えて受け継がれるからこそ、この一日は多くの人たちにとって「夢の球宴」であり続ける。
(了)
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