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プロ野球OBクラブ「Autograph Collection」OBとファンをつなぐ”夢の空間”ができるまで

コロナ禍になり、ファンとふれあう機会を新たに創出

今回、「Autograph Collection」の開催に至ったきっかけなどを星さんに伺った。この企画、実は星さんが数年にわたり構想にあったものだったという。

実現に向けて考えを温めていた中、20年に襲ったコロナ禍。例年定期的に行われるイベントが全て中止になった中で、ファンとOBがふれ合える機会をどう創出していくかを模索していた。

「OBを招き、OBクラブ独自でサイン会をやりたいというのは自分が事務局に入った当初から抱いていました。OBクラブでは、トレカフェスタという夏と冬に行われるイベントのサイン会のゲストを派遣しているのですが、それが毎回すごく好評だったのでもっと独自でもできればいいなと考えていました」

プロ野球OBクラブの星俊さん(21年9月撮影)

「昨今の状況になり、関係者たちと『何か面白いことをしたいですね』と話していたんです。メジャーリーグのサイン会の仕組みを知っている方から、『メジャーでは往年の名選手たちが添え書きを売りにしたサイン会を行っている』と聞いていたので、そこを絡めたら何か面白いことができるのではないかなと。オンラインでの野球観戦企画を開催していた時期(20年7月)でしたので、これはできると思い動き出しました」

そこから話がスムーズに進み、同年10月初旬には実施が正式決定。第1回のゲストとして井端弘和氏(元中日・巨人)にオファーをかけ快諾、11月14日に晴れて実現に至った。

見ただけで伝わるファンの”こだわり”

イベントを開催するにあたり、星さん始め事務局では周到な準備を重ねている。

まずは、チケットを購入したファンからサインを記してほしい品を送付してもらう。OBクラブロゴ入りのサイン色紙やボールの他、当時のユニフォームや限定カード・バットなど思い入れあるの品々が事務局に届けられる。執筆用のペンも同封する方も多く、こだわりが伝わってくるという。

参加者それぞれの思い入れのあるグッズも送られる。 写真:吉見一起氏(元中日)開催時

それだけに、事務局側も入れ違いなど事故が起きないよう細心の注意を払う。3人〜4人体制で都度チェックを行うなど最後の送付まで慎重を期している。

当日の進行においても同様である。星さんがOBのアテンドや進行役を1人で務めている。オンライン会議ツール「ZOOM」を用いて、音声トラブルの際の順番変更やミュート解除タイミングの指示など臨機応変な対応を行っている。

星さんが進行をメインに行う。写真右は濱中治氏(元阪神他)

また、より参加した方に満足してもらえるよう工夫も欠かさない。

「ZOOMの機能で1:1で話せる空間もできるのですが、会話を参加者みんなで共有し、楽しめるように全員が見て聴けるようにしています。」

と星さんは話し、ここまで約1年半運営を継続している。

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