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「引き出しが増えました」西武・斎藤佳紳、先発での経験を糧にリリーフで見せた“大胆な投球”

「3年後には一軍のリリーフ投手に」

目標を上記に定めた西武の育成3位ルーキー・斎藤佳紳投手。その将来像を描きながら、三軍での実戦では先発として経験を積んできた。

プロ1年目の夏を迎えた背番号「118」は、8月2日から12日まで行われた北海道・美唄での夏季キャンプでリリーフとして登板した。

先発で増えたという“引き出し”を、リリーフのマウンドでどう生かしたのか。

斎藤自身が感じた手応えや指導する榎田大樹ファーム投手コーチの視点とともに、現況を追っていく。

(写真 / 文:白石怜平)

夏季キャンプではリリーフとして実戦登板

5月下旬の三軍戦で先発登板した後、「一イニング、一イニングをしっかり投げていくことは変わらない」と語っており、その時の役割を通じて収穫を得てきた。

その言葉通り、先発として過ごした時間は着実に自身の中へ蓄積されていた。

「引き出しが増えたことをすごく実感しました」

夏季キャンプを経た8月15日、ライオンズトレーニングセンターでの投球練習を終えた後に好感触を語った。

この期間中行われた実戦では2試合リリーフとして登板し、試合終盤を任された。かねてからイメージしてきた役割で実戦のマウンドに立つと、先発を経験したからこその成長を感じたという。

「普段だったら思いつかないようなことを考えながら投げたりもしました。それは先発をやっていて、いろいろな引き出しを頭の中で考えられるようになったからこそだと思います」

先発で掲げたテーマや経験がリリーフでも活きた

5月の登板時では球速もテーマに設定していたが美唄での2試合では、

「空振りを取ったり、弾き返されないような真っすぐを投げようと。それに球速がついてくれたらラッキーと考えていました」と語る。

ただこの間、先発として投げた試合での最速152km/hから既に153km/hを計測するなどステップアップしている。

球速の目標を捨てたわけではなく、「次にもし先発をやるとしたら、自己最速の156km/hを目指したい」と数字面での目標もしっかりと見据えた。

「真っすぐだけでいく」自ら決めたテーマ

その変化が表れたのが、美唄での2試合で自ら設定したテーマにあった。

「1試合目は仮に打たれたとしても真っすぐを投げ続ける。2試合目では、どの打者に対しても2ストライクまではすべて真っすぐで押して、追い込んでからフォークを使うといった大胆な投球ができました」

いずれも首脳陣から指示されたものではなく、自ら考えた上で試したもの。その意図を続けて明かしてくれた。

「真っすぐの出し入れをしっかり行いたいというのがあって、キャンプのピッチングでも目的を持って取り組んでいました」

練習から目的を持ち、試合でアウトプットする

先発では一人の打者だけではなく、複数のイニングをどのように組み立てるかを考える必要がある。

そこでさまざまな選択肢を経験したからこそ、短いイニングでは逆に「真っすぐで押す」というシンプルかつ大胆な選択ができるようになった。

斎藤が上述した目的を持った投球練習。自ら考える練習に加えて、首脳陣が設定したメニューもあった。その一つが、「15球連続で外角低めにストレートを投げること」。

上記の意図について指導する榎田コーチに聞いた際、“再現性”というワードが出た。

「投球動作云々というよりは、投げた結果そこに行くことにフォーカスしてほしいという考えです。まだみんなその確率が高いとは言えないので、再現性を高めている最中です。

球速や回転数など仮にいい数字が出たところで、狙ったところに投げられなかったら結局一緒ですから」

選手たちの再現性を高めている榎田ファーム投手コーチ(5月撮影)

150km/hを超えるストレートや質の高い変化球を持っていたとしても、それを打者に対して狙ったところへ投げられなければ、打者を抑えることはできない。

「いいものはみんな持っているので、それをバッターに対してどう使えるかを考えて伝えています」

次なる目標は秋季キャンプでの一軍入り

マウンドから離れても、斎藤自身は「言語化」を通じて成長を実感していた。ライオンズでは“リフレクション”を導入し、その日のテーマと振り返りを毎日行う。

自分が何を考え、なぜその行動を選んだのかを言葉にする時間を今も積み重ねている。

「言葉で伝えるというのは、スタートした時と比べるとはるかに上達していると感じます」と語った斎藤。特に意識しているのが、擬音に頼りすぎないことと、最初に結論から伝えることだと語る。

「最初に結論を先に提示することで、『それはなぜ?』と根拠を問われるので、『それはこういう理由です』と、すぐに回答できるようになってきました。やはりリフレクションがあってのことだと感じています」

リフレクションを通じて言語化能力も向上させている(5月撮影)

獅考トレーニングを通じての目標設定の際、短期的に掲げていた目標は「今季中の支配下登録」だった。

しかしその期限を迎えたことで、現在は次の目標へと切り替えた。

「今は秋季キャンプで一軍入りすることを頭に置いて、ずっとやっています」

先発として積み重ねた経験を“引き出し”へと変え、美唄では目指してきたリリーフのマウンドで自らテーマを設定して投げ抜いた。

投球だけでなく、自身の考えを言葉にする力も少しずつ磨かれている。

秋季キャンプで一軍入りし、その先にある一軍のリリーフ投手という将来像へ向けて、背番号118は着実に歩みを進めていく。

(了)

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