ミズノ主催のトークイベント「キャッチャーの”號(さけび)”」3人のミットの特徴や子どもたちに伝えたいキャッチャーの良さとは?
追い込んでいると逆に難しい”2ストライク”のカウント
次に3人の質問タイム。それぞれが思っていることをそれぞれ疑問をぶつけた。ここでは1つ挙げるが、田村選手が聞いたのは
「これ僕だけなんですかね、終盤7回以降の2死3塁、0ボール2ストライクって一番嫌な状況なんですがどうですか?」
という質問だった。この背景を細かく説明してくれた。
「打たれたらまず終盤に重い1点を取られますし、『追い込んでいるのに何で打たれるの?』って問い詰められますし、かと言ってボール球で1球外すと相手を楽にさせてしまうので、勝負に行きたい。
それで変化球のサインを出したとしたら、低めに難しいワンバウンドの球がくることもあります。なので、できたら1-1で3球目を迎えた方が楽なのかなと思うんです」
それに対し、嶋コーチが共感しながら回答した。
「おっしゃる通り、特に2ストライクって本当に難しくて。今の打者は頭いいので、ボール球だったら次は何ってしっかり考えています。
高めとか要求しちゃうと皆バットに当てたいですし、ヒットになってしまったら『なんで高めなの?って言われるので…じゃあフォークボールを投げるとしても、投手は思いっきり握って投げてくるので、とんでもないバウンドをするかもしれないですし。
これら全てトータルで何を選ばなきゃいけないのかを考えるので、それだったら初球で打たれた方がいい。でも初球で打たれると『何で初球から打たれるんだ』って言われる(笑)ただ、そこは腹を括らないといけないですし、常にキャッチャーは根拠を持ってサインを出して打たれたら反省をすれば良いので、その追いかけっこだと思います。確かに難しいですよね」
キャッチャーのリード面で苦労することの1つである、結果について「何でこの球なの?」という話には、会場全体が”確かに”というリアクションと雰囲気に包まれていた。
子どもたちに伝えたいキャッチャーのよさ
最後の話題は、子どもたちに向けてキャッチャーをやりたいと思えるところはどこか。3名がそれぞれ、子どもたちに向けてメッセージを贈った。
田村選手
「自分を持っていないとできないポジションなので、自分の意見を言える子はキャッチャー向きなので、そんな子はぜひやってほしいです」
嶋コーチ
「難しいけどやりがいのあるポジションですし、レギュラーをとったら特に長く務められるポジションだと思います。ただ、子どもたちにはいろいろなポジションを経験してほしいです。その上で、最終的にキャッチャーをやりたいと思って選んでくれたら嬉しいですね」
木下選手
「チームの勝敗を握っているポジションなので、やりがいもあります。自分の責任で負けてしまう試合もあるかもしれないですが、それをやり返せるのもキャッチャーだからこそできることです。
なので、子どもたちも勝敗を握ってるんだというの感じながらやってほしいですし、勝ったら思いっきり喜んで、負けたら次勝てるように悔しさを持ってやっていければのがいいと思います」
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